アリスのままでのレビュー・感想・評価
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優しい映画。
若年性アルツハイマー症。かつて渡辺謙が「明日の記憶」(堤幸彦監督)で演じたあれである。
アリス(ジュリアン・ムーア)はコロンビア大学の言語学の教授。映画は、冒頭からアリスの異常を描出する。
彼女のすごいのは、大学教授ということもあるのか、自分で自分の異常を察知するのだ。そして自ら病院に行き診断を受け、自分で夫に自分の病気を告げるのだ。
また、病気が進行して、長女の名前などを忘れてしまったときには、多量の睡眠薬を飲むように、未来の自分に指示をする。これもすごい。
人間としてのプライド。アリスにはそれがあり、それさえも失い、ただただ生きるだけの自分には耐えられなかったのだ。だが、忘れてしまえはそれまで、ということもある。
リチャード・グラツァー、ウオッシュ・ウエストモアランド監督の演出は端正で、介護の悲惨な実情などは描かない。そこが物足りないところでもあり、この作品の優しい肌ざわりの部分でもある。
アリスは50歳で発症する。
とても他人事とは思えない。
年をとると物忘れがひどくなる。だが、アリスは「抜け落ちる」と言った。この言葉は覚えておきたい。
共感を得られるギリギリを狙った
きっと現実に同じ病を患った人が
身近にいる人には、これでも
綺麗事に見えるのかもしれない。
でもそうでない自分にとっては、
十分衝撃的であった。
ドキュメンタリーではないので
それでよいと思う。
最初は、支えられず仕事に逃げ出した
夫が情けない、冷たい人だと感じたが、
彼女の聡明さを心から愛した彼には、
知性が失われた彼女を見るのは
耐えがたかったのだろうな。
愛した人を愛せなくなることを
心から恐れたのかもしれない。
その点、娘や息子の場合、何があろうと
繋がっている部分があるので、
母親を受け止めることができる。
次女役の女優さん、素晴らしかった
病気が奪ったものと与えたもの。心に響く家族の絆。
【賛否両論チェック】
賛:病気が人生の全てを奪っていく残酷さと、それに必死で立ち向かっていこうとする主人公の姿が痛々しい。家族の大切さに気づかされる。
否:物語そのものはかなり静かに進むので、興味がないと退屈かも。
「私は苦しんでいるのではありません。闘っているのです。」
後半のスピーチで語られるこの言葉が、胸に刺さります。“記憶の欠乏”という、今までの人生を全て奪ってしまう病気の恐ろしさも勿論ですが、そんな病気と必死で向き合い、生きていこうともがく主人公の姿が、非常に切なく心に響きます。そして、最愛の家族が病魔に侵された時、その家族達が直面させられる苛酷な現実も、赤裸々に描かれていきます。
人間誰しもに起こりうる病気について、深く考えるきっかけとなりそうな作品ですので、気になった方は是非ご覧になってみて下さい。
邦題がちょっと不満かな
原題が Still Alice
映画を見終わって、邦題「アリスのままで」というよりは 「それでもアリス」という意味だと思いました。どうなっても、アリスはアリス。知的だった彼女が 子供のようになってしまっても それでもアリスはアリスという意味だとおもいます。「ありのままで」に引っ掛けたっぽい題名にはあまり好感持てないかな。
しかしジュリアン ムーアの抑えた演技はさすがですね。知性と美貌、キャリアをもった女性の苦悩がしっかりと出ていました。
綺麗に描きすぎでは?
若年性アルツハイマーという疾患を真正面からテーマに据えながら、あまりに綺麗に描かれすぎていると感じた。
監督のリチャード・グラッツァーは、ジュリアン・ムーアがアカデミー賞の主演女優賞を受賞した3週間後にALS(筋萎縮性側索硬化症)で亡くなったそうだが、(これは勝手な想像だが)自身も辛い闘病生活を送る中で、作品自体は現実ほどシリアスになることを避けたのではないだろうか。ただそれならば、この疾患を主題とした意味性が曖昧になってしまう。
同じ重い疾患をテーマにした作品なら、個人的には闘病者の葛藤と人間の本質を描いているという点で「博士と彼女のセオリー」の方が見応えがあった。
誰にでも起こり得る悲劇
自分ならどうするかを問いかけられる映画でした。
テーマは若年性アルツハイマーです。
自分が病気になったら?自分が患者の家族だったら?
色々な事を考えました。
私には兄弟がいないのでよりテーマを重く感じました。
兄や姉の様に逃げる事は出来ない。
自分の人生を取るかorそれとも自分をここまで育ててくれた家族を取るか
難しい決断だと思います。
リディアの選択は勇気あるものでした。
私にはもしかしたらそんな勇気ないかもしれないです。
施設に預けたりせず家族として愛し続けるという選択は勇気あるものです。
そして自分がもしアリスの立場だったらアリスと同じ様に迷惑をかけたくないと思うと思います。
まだ力がある内に死を選ぶかもしれないです。
ジュリアンムーアの演技も素晴らしかったです。
知的なアリスから病気と闘うアリスそして抜け殻の様なアリスへの変貌は目を見張るものでした。
病気モノにしては感動よりも問いかけの多い映画だったと思います。
淡々としすぎていて少し眠くなりましたが良作でした。
追体験
アリスを追体験しているようでした。
実際のアルツハイマー病の方と接したことはないが、家族との関係性然りリアルな描写が多くて、寂しくもあり愛も感じられるものだった。
母や父のことを思わずには居られなかった。
貴方ならどうする?
若年性アルツハイマー発症。しかも、遺伝性。
本人の戸惑い、悲しみ、苛立ち、苦しみが丹念に描かれている。その凄まじさに戦慄を覚える。自分だったら耐えられるだろうか?
寄り添う夫や取り巻く子供達。
自分だったらどう対応するだろうか?どう寄り添えるだろうか?
シビアに問いかけてくる。夫婦で見ておいて良かった。
愛があります
ジュリアン・ムーアの演技の素晴らしさに感動です。本当に素晴らしいです。
物語としては、日本だったら病気の大変さを前面に押しだして泣かせるぞ~というカナシミの造りが多いんだけど、この作品にはもちろん病気が主体でありながらも、そのまわりの人々の優しさや愛情などをしっかり描いていて、それがエンディングの至高の一言に結び付けている。見終わった後からジワリと涙腺が緩んできた作品でした。
ジュリアン ムーアが上手い
泣かそうとしない淡々とした、リアルな演出は、好みでした。同じテーマの日本の映画があるけれど、こちらの方が役者も上手いし、カットもいいし、特にラストのジュリアン ムーアの台詞のコントロールは絶品でした。それにしても、美男美女の家族でした。
身につまされる
主人公と同世代の私にはリアルな問題。仕事にうちこんできた、子供も育て上げた。がんばってきて、さあこれからじっくり…と思っていたのに‼
『え?ここで終わり?』と思った方には、明日の記憶を見て頂きたいです。もっと悲しくなります。
正解はない。
評判通りジュリアンムーアの特にアルツハイマーが発症してからの演技は素晴らしい以外ない。
目の輝きまで変わったように思った。
発症後は本人よりも周りが辛い。その後何年、何十年と続く介護をどうするのか。
当方子供なしの夫婦で自分達に置き換えて考えると途方に暮れてしまう自分がいてる。
ジュリアン・ムーアが素晴らしい。知性を誇りにして生きてきた人間が、...
ジュリアン・ムーアが素晴らしい。知性を誇りにして生きてきた人間が、それを奪われていく様がリアル。出来過ぎた旦那もやっぱりそうでもなくて、一番関係の悪かった次女が側にいてくれるところもありがちだけど納得。あのスピーチを次女が聴いてないのがすごく残念だった。観終わった後しばらくボーッとしてしまった。
すこし話が極端だけど、考えさせられる名作
家族性の若年性アルツハイマー症というのはかなり進行が早く、実際の老人が多くかかるそれとは若干異なっているのだが、それでもやはり深刻なものであるのは確かですね。
役者の方々の演技力によりとても重い気持ちになります。
日本だったらなんらかの希望や和やかさを出してオブラートに包んでしまいがちだけど、つらい「現実」を提示するドキュメンタリー手法が「もし自分だったら」とか「家族がそうなったら」ということに正面から向き合えますね。
それにしてもヘビーな映画でした。すこし地味すぎるけど…
いい時の場合をキレイに撮ったお話
アリスにも本当はもっとわるい時があっただろうなと思いました。そのわるい時が少しだけしか描かれていなかったことと、設定からして共感しにくい部分があります。
ですが、キレイに穏やかな感じでまとまっていたので☆3つ
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