アリスのままでのレビュー・感想・評価
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次女リディアの優しさに心温まる
一言で言えば尖った今風のやんちゃな娘なんですが
実は人一倍優しくて人一倍傷つきやすい
そんなギャップをもった娘にきゅんと来た
自分の夢を後回しにしてまでアリスのそばにいるなんて
逆に他の家族は表面は優しそうでも自分を優先してしまう(結局折り合いはつけるのですが)ので悲しかった
私の中ではリディアが主人公でした
奇跡の映画
身につまされました。
こんなハリウッド映画があるなんて思っていませんでした。私にとって奇跡の映画でした。
この監督の他の映画はどんなのだろう、もっと見てみたいとすごく思ったら、監督自身の命を重ねた渾身の映画だったのですね。
リチャード・グラッツァー監督、すごいです、そして残念です。
ジュリアン・ムーアやクリスチン・スチュワートもとてもよかった。
あえていえば、夫役のアレックス・ボールドウィンが既視感があり、ちょっとだけ凡庸さ的なものを感じたけど、きっと彼の問題ではなく私の感覚の問題だと思います。
涙が止まらない
この映画の主人公、アリスは若年性アルツハイマーという珍しい病気だということが発覚してしまいます。
もし、家族も職業も最高のものを持っていて、普通の日々を過ごしていたのに、「ある日突然あなたは若年性アルツハイマーです」と診断されたら。今まで積み重ねてきた大切な記憶が何年か後には全て消えて、なくなってしまう。そうなってしまったら、あなたはどうしますか。私は、私が私であるうちに。大切な記憶があるうちに死にたい。そう思います。
主人公アリスは、だんだんと大切な記憶が消えて無くなっていき、方向、単語、日常生活といったような、私たちが普通に行っていることが一人でできなくなってしまいます。
アリスは次々と消えてしまう記憶。すなわち弱っていく記憶力を「なくす技」という言葉を使ってスピーチしています。「どんなになくす技が上達しても、今日スピーチしたことを忘れたくない。」その言葉が胸に突き刺さりました。その後アリスは徐々に言葉を忘れてしまい、最後には抜け殻のようになってしまいます。自殺したくてもできない。誰かに自分の思っていることを伝えることもできない。いままで積み重ねてきた大切な記憶もない。こんなに悲しいことはありません。
若年性アルツハイマーとは本当に恐ろしい病気です。その人のいままで、そしてこれからの人生を全て一瞬のうちに失ってしまう。周りも辛いと思いますが、一番辛いのは自分自身です。アリスは、自分の中の記憶が消えていくのがわかる。と言っていました。どんなに忘れたくない大切な記憶も全て消えていく。怖いです。記憶がどれだけ大切なものなのか。
アリスのスピーチは本当に感動しました。スピーチから後半はアリスの記憶が無くなっていくのを前半より感じることができます。アリスのスピーチは、世界中の人々に聞いてもらいたいです。
長々と書いてしまいましたが、こんな言葉では表せないものが心に響いてくる映画でした。
私のおばあちゃんは、アルツハイマーです。
アルツハイマーを軽く見ていた自分が最低に思います。そんな、おばあちゃんと離れて暮らすお母さんは、実家に帰ると笑顔でおばあちゃんの介護をしています。実の娘のこともわからないであろうおばあちゃんに笑顔で介護しているんです。泣いているところを見たことはありません。本当思いっきり泣きたいと思うんです。
なので、より「still alice」という映画に感情移入してしまいました。
何度も言いますが、どんなに忘れなくない大切な記憶を一瞬で奪うアルツハイマーという病気について、本当に考えさせられる映画でした。
いまを生きる
ジュリアン・ムーアが若年性アルツハイマーと診断された女性言語学者を演じ、5度目のノミネートにして遂にアカデミー賞を受賞した話題作。
ズバリ、秀作。
難病を題材にしているが、それほど重苦しくならず、湿っぽくならず。
症状が進行するにつれ記憶が失われていく恐怖、苦悩や葛藤を滲ませつつ、夫婦愛、親子愛など支える家族との関係もそつなく。
中盤のスピーチはグッときた。
じんわりと染み入り、スッと作品世界に入っていける、非常に見易い作りだった。
それにしても、もし自分だったら?…と思うと恐ろしい。
普段の生活でも、ちょっとあの名前とかこの名前とか忘れる事はよくあるけど(特に最近昔と比べて映画のタイトルや俳優の名前がパッと出なくなった)、それがただの物忘れなのかアルツハイマーなのかなんて自分でも分からない。
記憶がポロポロ抜け落ちていって、忘れた事も忘れてしまう。
良い事も悪い事も含め、自分の人生の積み重ねが消えていく。
自分が自分じゃなくなった時、どうすれば…。
ずっとそんな事を考えながら見ていて、決して他人事じゃない身につまされる思いだった。
オスカー受賞も納得のジュリアン・ムーアの名演。
序盤の自信に満ち溢れた雰囲気から一転、症状が進行した中盤から終盤の不安定な表情、仕草、佇まいはまるで別人!
アルツハイマーのリアルを体現。
夫アレック・ボールドウィン、次女クリステン・スチュワートらも好演。
特にクリステン・スチュワートは、“ヴァンパイアの恋人”から大きくキャリアをステップアップさせた。
アルツハイマーを題材にした映画と言うと以前にも渡辺謙主演で「明日の記憶」があり、特別珍しいものでもない。
なのに何故今作はこんなに魅せられたのか。
それはきっと、筋萎縮性側索硬化症という難病を患いながらも撮影し、映画完成後亡くなった監督リチャード・グラツァーのメッセージが込められているから。
劇中、アリスは記憶が無くなる前に、記憶を失った自分へあるビデオメッセージをパソコンに保存する。
記憶を失ったアリスは、それが何の為に残されたものか覚えておらず、メッセージのまま実行しようとする。が…
難病もしくは辛く苦しい境遇でも、自分で自分を絶ち切ろうとするのは余りにも哀しすぎる。
限られた時間を精一杯生きよ、と。
I'm not suffering, I'm struggling アルツハイマーのリアルを描いた秀作
struggle-もがく、あがく、努力する
字幕では「私は苦しんでいるんじゃない。戦っているんです。」という風に訳されていましたが、単純に戦うというより、もっともがきながら戦っているという感じです。
個人的な話になりますが、私の父は認知症です。父は同じ事を間をおかずに何度も聞く、知っていたはずの所でも迷子になる等映画の中のアリスと同じ行動をします。そういった意味ではこの映画は「アルツハイマーあるある」でした。映画の中でのアリスの行動は本当にアルツハイマーの方が取る行動です。身近にそんな人がいない方はビックリされるシーンかもしれないですが、本当にそんな行動を取るのです。正直「なんでそんな行動するの?」っと思ってしまいます。でも、それがリアルなんです。
わかってあげたい、でもわからない。理解できない。わからないんです。こちらも所詮人間ですし腹立たしい事もしばしばありますし、精神的にとても疲れます。本人の良かった時を知っているだけなおさら・・・夫を演じるアレック・ボールドウィンが仕事に逃げていますが、逃げたくなる気持ちはとても良くわかります。誰しも仕事あるんですし、四六時中面倒見てるわけにもいかないですし、相手しててもわけわかんない事話ますし、逃げたくなりますよ、そりゃ。最後に自分の夢を半ば諦めて面倒を見ると決めたクリステン・スチュワート演じる次女は立派な決断です。
アリスがビデオに残しておいた悪化した時の対処法。アレをやられると家族としては間違いなくトラウマになるでしょう。ありえないとは思いますが、もし自分の父があんな事やったらと思うといたたまれないです。ただ、その反面どこか助かるのも現実です。
・・・と自分の置かれている状況と相まって、とても他人事とは思えず涙なしには観る事ができませんでした。
ジュリアン・ムーアの演技はアカデミー賞納得です。自分に向けてのビデオレターを見るシーン、良かった頃との対比がとても印象的でした。悪化してどこを見てるかわからずボーっとしているシーン、アルツハイマーの方は実際そうなります。
今回初めて知った遺伝的(家族型)アルツハイマー、思い出してみれば亡くなった祖母もそうでした。父もそうです。もしかしたら自分も将来・・・と考えると個人的にはこの映画はホラーになります。
アリスの演説にあった「私は苦しんでいるんじゃない。戦っているんです。」という言葉、もしかしたら私の父も戦っているのかもしれません。こぼれ落ちてていく記憶と。自分達からはわからなくても。きっとこれからも父に対して腹を立てる事はあるでしょうし、嫌になる事もあるでしょう。それでも戦っている父と向かい合っていこうという気持ちになれた作品でした。長文にて失礼しました。
スピーチのシーンで
じわりときました。
話が分かっていたので入り込みやすかったです。
自分自身では受け入れにくい事ですが、
徐々に理解、そして、分かる間に何かを残そうと
する姿は切なすぎました。
記憶が無くなっていくって恐ろしいと思いました。
優しい映画。
若年性アルツハイマー症。かつて渡辺謙が「明日の記憶」(堤幸彦監督)で演じたあれである。
アリス(ジュリアン・ムーア)はコロンビア大学の言語学の教授。映画は、冒頭からアリスの異常を描出する。
彼女のすごいのは、大学教授ということもあるのか、自分で自分の異常を察知するのだ。そして自ら病院に行き診断を受け、自分で夫に自分の病気を告げるのだ。
また、病気が進行して、長女の名前などを忘れてしまったときには、多量の睡眠薬を飲むように、未来の自分に指示をする。これもすごい。
人間としてのプライド。アリスにはそれがあり、それさえも失い、ただただ生きるだけの自分には耐えられなかったのだ。だが、忘れてしまえはそれまで、ということもある。
リチャード・グラツァー、ウオッシュ・ウエストモアランド監督の演出は端正で、介護の悲惨な実情などは描かない。そこが物足りないところでもあり、この作品の優しい肌ざわりの部分でもある。
アリスは50歳で発症する。
とても他人事とは思えない。
年をとると物忘れがひどくなる。だが、アリスは「抜け落ちる」と言った。この言葉は覚えておきたい。
共感を得られるギリギリを狙った
きっと現実に同じ病を患った人が
身近にいる人には、これでも
綺麗事に見えるのかもしれない。
でもそうでない自分にとっては、
十分衝撃的であった。
ドキュメンタリーではないので
それでよいと思う。
最初は、支えられず仕事に逃げ出した
夫が情けない、冷たい人だと感じたが、
彼女の聡明さを心から愛した彼には、
知性が失われた彼女を見るのは
耐えがたかったのだろうな。
愛した人を愛せなくなることを
心から恐れたのかもしれない。
その点、娘や息子の場合、何があろうと
繋がっている部分があるので、
母親を受け止めることができる。
次女役の女優さん、素晴らしかった
病気が奪ったものと与えたもの。心に響く家族の絆。
【賛否両論チェック】
賛:病気が人生の全てを奪っていく残酷さと、それに必死で立ち向かっていこうとする主人公の姿が痛々しい。家族の大切さに気づかされる。
否:物語そのものはかなり静かに進むので、興味がないと退屈かも。
「私は苦しんでいるのではありません。闘っているのです。」
後半のスピーチで語られるこの言葉が、胸に刺さります。“記憶の欠乏”という、今までの人生を全て奪ってしまう病気の恐ろしさも勿論ですが、そんな病気と必死で向き合い、生きていこうともがく主人公の姿が、非常に切なく心に響きます。そして、最愛の家族が病魔に侵された時、その家族達が直面させられる苛酷な現実も、赤裸々に描かれていきます。
人間誰しもに起こりうる病気について、深く考えるきっかけとなりそうな作品ですので、気になった方は是非ご覧になってみて下さい。
いたたまれない。
どのくらい実情に肉薄してるのかは分からない。
フィクションであってフィクションでない…そんな空気を感じてた。
アリスという女性がそこにはいた。
映画だという事を忘れそうになる。
生きて、戦って、そしてすべてを忘れていく女性が。
過去の自分が現在の自分に宛てたビデオレター…同一人物なのに明らかに別人だった。
目の輝き、肌の張り…これぐらい当然よと言わんばかりに澱みも気負いもなかった。
…拍手喝采。
国民性の違いが随所にあり、日本ではこうはならないだろうと思える事が、僕らの現実から、この事象を若干遠ざけてはいく。
…にしても、やはりハリウッドになると日本の女優ってのが、なんだか不可思議になる。
このアリスと同じような事、誰もやんないだろ?
第一線の女優だぜ?
ノーメークで生足出してんだぞ…。意識の場所が違いすぎるように思う。
おそらく、それが現実を想起させた一因であろう。
…寝起きでフルメークできてる女優に、なんのリアリズムを感じろというのか?
この国の芸能界は。
邦題がちょっと不満かな
原題が Still Alice
映画を見終わって、邦題「アリスのままで」というよりは 「それでもアリス」という意味だと思いました。どうなっても、アリスはアリス。知的だった彼女が 子供のようになってしまっても それでもアリスはアリスという意味だとおもいます。「ありのままで」に引っ掛けたっぽい題名にはあまり好感持てないかな。
しかしジュリアン ムーアの抑えた演技はさすがですね。知性と美貌、キャリアをもった女性の苦悩がしっかりと出ていました。
切ない
大切な記憶が薄れ無くなっていくのは家族も本人も悲しく切ないですね。
家の中でトイレを探すシーンは衝撃的でした。
少し残念だったのはアリスがおそらく家族に迷惑かけまいと自分の命を絶つように自分に向けたメッセージに家族が気付く描写が欲しかった。
アリスがそこまで考えてた事に家族に気付いて欲しかったですね。
ラストは唐突に終わった感じがして少し物足りなさが残りました数秒間の真っ白なスクリーンが記憶が消えていく様を表しているようで印象的でした。
大切な人と過ごした幸せな思い出は死ぬ瞬間まで絶対忘れたくないですね。
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