「綺麗に描きすぎでは?」アリスのままで riorioさんの映画レビュー(感想・評価)
綺麗に描きすぎでは?
若年性アルツハイマーという疾患を真正面からテーマに据えながら、あまりに綺麗に描かれすぎていると感じた。
監督のリチャード・グラッツァーは、ジュリアン・ムーアがアカデミー賞の主演女優賞を受賞した3週間後にALS(筋萎縮性側索硬化症)で亡くなったそうだが、(これは勝手な想像だが)自身も辛い闘病生活を送る中で、作品自体は現実ほどシリアスになることを避けたのではないだろうか。ただそれならば、この疾患を主題とした意味性が曖昧になってしまう。
同じ重い疾患をテーマにした作品なら、個人的には闘病者の葛藤と人間の本質を描いているという点で「博士と彼女のセオリー」の方が見応えがあった。
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