「主人公はともかく、家族の描き方が少々不満」アリスのままで りゃんひささんの映画レビュー(感想・評価)
主人公はともかく、家族の描き方が少々不満
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若年性アルツハイマーを扱った映画といえば、日本の『明日の記憶』が思い出される。
あの映画ほどのドラマドラマした描き方はしておらず、好感は持てるものの、どこかしら物足りない。
抑制の効いたジュリアン・ムーアの演技は評価できるものの、やはりドラマとしての、というかとりまく家族の描き方がもう数ショット足りない感じがする。
それはたぶん、アリスの病変は個人的な若年性アルツハイマー病ではなく、遺伝性の、というあたりにあるのだろう。
一男二女のうち、長男は遺伝的に陰性、次女は検査を受けず。
しかし、永年、不妊治療をしてきた長女は、人工授精前に陽性と判断される。
崑人的には、とてつもなく大変な状況だと思うのだが、映画はそこいらあたりの葛藤をほとんどすっ飛ばしている。
たしかに、映画の主たるテーマは、知識(記憶を含む)を拠り所としてきたアリスの、その拠り所がなくなっていくハナシなんだろうけれど、それ以外にも、やはり家族の受け止め方って大きいだろうと思わざるを得ない。
そこいらあたりの描きかたが、どうも不十分と感じてしまいました。
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