劇場公開日 2015年6月27日

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「アリスのままで…」アリスのままで Kippieさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5アリスのままで…

2016年7月12日
iPhoneアプリから投稿

記憶障害の作品は多々あって、結果は大体予想できるもの。だからこそ、俳優陣の演技が物を言うのではないだろうか。主演のジュリアンムーアは、そんな病気の“リアル”(自分を含め、リアルを感じる人は少ないだろう)を感じさせる演技だった。
人は、遅かれ早かれ、忘れてしまうもの。この作品は、そんな“忘れていく姿”を、主観的に・客観的に写している。
中でも、ジュリアンムーア演じるアリスの感情と表情の変化を目まぐるしく感じた。記憶が薄れていくにつれて、段々と、「無」の表情になっていくところに、記憶のリアリティがある。
題名の、'Still Alice' 「アリスのままで」は、誰かの願いを込めたのか、ずっと変わらない何かのことなのか、色々と考える。
決して、自分にありえない世界ではない。平凡だが、大切な人と過ごした時間や思い出を、今以上に強く抱きしめたいと思わせてくれる作品。

Kippie