劇場公開日 2015年5月1日

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「原作は自塾の宣伝でしかないけど」映画 ビリギャル 島田庵さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0原作は自塾の宣伝でしかないけど

2025年6月2日
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鑑賞方法:映画館

原作は宣伝臭プンプンで、
いいところは「さやかちゃん」のキャラだけ、という感がある。

たとえば
「塾での指導経験が長い僕にはすぐわかりました」とか
「心理学を学んで生徒の指導に活かしてきた僕は」とか
「普通の教師だったら、ここで・・・と思うかもしれません」とか
「僕は現在、進学塾以外にも複数のベンチャー企業を経営していますが」とか、
偉そうなニオイがプンプンする下りは枚挙にいとまがない。

それを映画では、先生の人物設定を変え、
そういう偉そうなニオイを全て消したのがよかった。

とはいえ
新たに加えた挿話にちょっとリアリティなさすぎだろ
と思う部分はあって、たとえば
面倒見がいいわけでもない学校の担任の先生が塾へ出かけて行って塾の教師に文句を言うなんて、
100%あり得ない。
ほかにも少々デフォルメしすぎ(あるいは単純化しすぎ)に見える演出も散見される。

そういう辺りはちょっと引いちゃうんだけれど、
逆に原作ではサイテーな台詞を言うだけだったその担任が、
最終的には意外にいいとこあるじゃん、という描かれ方をしている点は
救いがあってよかった。

でもなんといっても
有村架純さん演ずるさやかちゃんの魅力が際立っているので、
全体としては面白く、なかなか感動的だった。
ちょっと予想外。

島田庵
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