劇場公開日 2015年5月1日

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「ただの受験の技術論ではなく、塾の先生と家族の描き方が良かった」映画 ビリギャル Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ただの受験の技術論ではなく、塾の先生と家族の描き方が良かった

2017年1月22日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波

総合75点 ( ストーリー:80点|キャスト:75点|演出:75点|ビジュアル:70点|音楽:65点 )

 まず塾の先生が良かった。生徒一人一人の個性と背景に合わせて真摯に向き合い、そのための生徒目線での事前準備と努力を惜しまない姿勢に感心した。決して相手を否定せずに認めてやる気を出させる。自分も見習おうと思った。ただし時々いかにも科白的な喋りをする演技が気になる部分があった。
 主人公さやかを演じた公開当時22歳の有村架純は女子高生というには見た目がすっかり大人だったのが不満だが、役柄としては良かったし演技も悪くなかった。教師に馬鹿にされ成績も上がらず父親とは上手くいかずに追い込まれていく姿に共感出来た。
 そしてさやかの母親を始めとして家族が良かった。いい家族とばかりは言えない父と弟の部分も含めて、さやかの受験をめぐる影響と家族模様とその変化の描き方は、受験の結果以上に一番この映画で気に入った。

 この映画は単に受験に向けての勉強法や努力ではなく、困難にぶつかりながら人間関係を絡めて進んでいく女子高生の姿をしっかりと描いているところに好感が持てた。そして良い悪い含めて登場人物が魅力的だった。
 そして受験の結果がどうなるのか私は知っているのに、それでも合格通知を確認するところはこちらも緊張したし、そうさせたこの作品は偉い。それはたくさんの努力と苦難とがあったのを時に喜劇調に時に真面目に強弱をつけてしっかりと見せて、主人公とその家族の姿に共感できるようにしている監督と出演者の力量があった。

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Cape God