「劇場満席。」海にかかる霧 ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
劇場満席。
2001年韓国で実際に起きた「テチャン号事件」を基にした舞台劇を
今度は映画化。これを舞台でどう表現したの?と最初は思ったけど、
そうか結局は船上船内の密室劇みたいなもんだからね…と観て納得。
それにしてもこの作品、公開してすぐに初回から満席御礼(爆)何で?
と不思議だったけど、どうやら韓流アイドルが出てたからみたいだ。
そういや、隣りのおばちゃんが号泣してたわ…彼の最終パートで。。
不況に喘ぐ小さな漁船が中国からの密航者を輸送する仕事を請けた
ことで、悲劇と惨劇が幕を開ける。冒頭からののんびりした船内と
船員たちの和気あいあい感がどんどん狂気化していくのが恐ろしい。
中盤までは分かり易く感情移入もできる展開なのだが、後半につれ
まぁ怖い!怖い!ホラー系スプラッター系(映りはしないが)が炸裂、
私的にやっぱりこうなるわけか^^;と、ちょっと脱力した。実際の
事件では遺体遺棄はあったようだが、まさかここまではしていない。
(当たり前だって)哀れ被害者たちではあるが、そもそも法に背いて
こんなことしでかしたんだから不運も仕方ないのだろうか…うーん。
で。その船内劇が炸裂するんだけど、脚本が巧いので程良く緊張し、
最後までどうなるんだ?と全く飽きない。怖いけど観ちゃう!感じ。
そしておばちゃんたちのお目当て、新人ドンシクが背負う救出劇に
涙必至。だけどヒロイン…ありゃどう見ても大久保さん似(失礼!)で、
ここで凄い美形を持ってこないところが却って良心的なのかい?と
おばちゃんたちの嫉妬を軽々かわしている。最後も切ないもんねぇ…
個人的にはやはり船長を演じたキム・ユンソク。枯れゆく男の狂気が
恐ろしかったわ~。彼の奥さんが家でやってたことも怖かったけど~。
(オンボロ漁船でなかったらまた違う展開に?脱出できても命懸けだ)