「おもちゃの幸せ」トイ・ストーリー4 ゆっこさんの映画レビュー(感想・評価)
おもちゃの幸せ
人は成長する、子供の頃なんて毎日様々なものに出会い目まぐるしく変わっていく。
一方でおもちゃは、"対目の前の子供"しか世界はなくて、どうしたって選ばれる側、いつかは見放される置いてかれる側であり続ける。
子供が思い出の片隅、へたしたら思い出してもくれない存在になっても、おもちゃにとっては常に鮮明な記憶として子供が自分の中にあり続ける。それはすごく尊くて苦しいことだ。
冒頭でボーと別れるシーンが悲しすぎて泣けた。まだ必要とされる側のウッディともう興味を持たれなくなったボーの対比。
ボーは一人になって自分の幸せは自分で掴んでくことを決めた。
ウッディはずっと子供に好かれ続けることを一番に生きてきて、ボニーが自分に興味がなくなっても新しく一番になったフォーキーを守るという役割を自分の生きがいとしてそばにいようとする。
でもウッディのそれはボニーのためというよりフォーキーを守ることって役割しかもう自分に存在意義がないっていうすがるような感情だった。
そこからウッディがボーに再会して自分の幸せを自ら探していくことを決めるのは胸が熱くなった。
これまでずーっと一緒だったバズと別れることは友達見捨てて女取ったみたいに思われるかもしれないけど、ずっと選ばれる側だった自分への決別であり自分から幸せを選んでいいんだよって祝福に私は思えた。
ずっと一緒にいることも子供を一番に思い続けることも大切だけど、どうしたって一人で抱える悲しみとさみしさがつきまとう。そのおもちゃの宿命を、自分の決断と力で、新しい幸せを手に入れるために踏み出せるってすごいことだと思う。
それにバズと別れ際、きっとお互い聞こえてないだろうに「無限の彼方へさぁいくぞ」って言い合った時点で二人は離れててもずっと繋がってる、きっと一生友達なんだって思える。
ずっと同じ所にいる、一緒にいる、誰かを想い続ける、それはすごく尊い行為だけど、そこから離れること、別れることを肯定的に捉えてて最近のディズニーはいつも新しさをくれるなぁ〜。(シュガーラッシュオンラインとか)
友情も愛情も、幸せの形も常に新しい形になっていってもいいのかもしれない、そう思える映画だった。
選べないなんてことはないんだよ、自分から好きな場所選べる力が誰にだってあるんだよって言われた気がした。