「一つの幕開け」トイ・ストーリー4 takaさんの映画レビュー(感想・評価)
一つの幕開け
トイストーリーは長編シリーズ3作はもちろん
短編2作品も含め全作品を鑑賞してきました。
「おもちゃは子供のために」というシンプルな
メッセージ性は全作品を通して描かれてきたもの。
そしておもちゃは親以上に子供を見守る存在だったこと。
ここが最も重要でアンディ編では父親は出てこない。
つまりウッディがアンディの父親であるというメタファーだった。
時系列ではトイストーリー2以後のボーが
いなくなった話から始まり、3のボニー家での生活へ続く。
冒頭、1〜3でのウッディたちとアンディの生活から
ボニーへのバトンタッチも泣ける演出の一つ。
2の頃から持ち主不在のおもちゃたちの話は
それ以後ずっと描かれ続けてきました。
今作ではその内容に一つのピリオドを打ち
新たな幕開けを表した作品とも言える。
子は巣立つ時が来る…
いずれ自分の元から離れ好きなものを選んでいく。
今作は子供向けと言うより、一緒に鑑賞に来るであろう
親(孫を持つ親)に向けて作られていた気がしました。
ウッディにとっての子アンディは巣立った。
彼が託したボニーは言うなれば孫。
ウッディは祖父としての立場ながらフォーキーという
小さな赤ん坊を見守るがその役目は本来、
ボニーが自身の成長のために必要な行為。
そのため、ウッディがボニーの元を去る決断をしたのは
孫の成長はウッディが関与してはいけないというメタファーなのかなと。
またおもちゃの状態で子供は心が満たされないということ。
フォーキーはゴミから作られるがボーの心を満たすに反して
ギャビー・ギャビーは古いおもちゃながらも修復の末、
状態は完璧になるも残念ながら、子供の心を満たすことはできなかった。
(物語の展開するうち、ある子供の心を満たすようになる。)
劇場で鑑賞できるうちに是非お近くのIMAXで体感して頂きたい。