特捜部Q 檻の中の女のレビュー・感想・評価
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濃くてまずいが優しいコーヒー
いわゆる窓際族の特捜部Q。 「相棒」の設定にほんの少し似ていますが、こちらは天才的頭脳というより、ひたすら足で捜査する現場の刑事という感じです。 妻とは別居中、かつての部下は殉死に寝たきりという頑固者の主人公Carlに対し、彼を支える相棒のAssadは、温和で地道に人間関係を構築できる女房役タイプ。両極端の2人が未解決事件の闇を探ります。 暗くて少々猟奇的、その動機も深いです。 原作も読みたいし、続編も観ていきたいです。
腕毛
この作品のバディ感は本当に良かったです!男同士でとにかく主人公が無口で嫌な奴なんですがそこがめちゃくちゃいいんですよー。最後のアサドが買ってきたコーヒーを飲んでの一言とアサドのリアクションは最高で、この一瞬がこの映画を観たものへ対するメッセージなんだよなーと感心です! 監禁されてる女も、しっかり腕毛が伸びててこの作品の丁寧な作り込みをものがったってます。 そこまで意外性はありませんが、非常に非常にいい作品と出会えました!
原作は未読です。デンマークでベストセラー(シリーズもの)らしいです...
原作は未読です。デンマークでベストセラー(シリーズもの)らしいですね。 ちょいちょい色んなミステリー映画が頭に浮かびますが、そこは人物描写の丁寧さでカバー。最近のバディ物ではかなり上位にくる、魅力ある刑事二人が主役です。 刑事はニコライ・リー・カース(しあわせな孤独、真夜中のゆりかご)、相棒がレバノン出身で「ゼロ・ダークサーティ」にも出演してた、ファレス・ファレス。この組み合わせもユニークです。 ぎこちない二人が、事件の核心に近付く度に、いい感じに纏まってくる。 未解決事件のファイルの中から、好きな事件を直感でピックアップ。 独自に捜査をする……って、なんて素敵な部署。左遷なんてとんでもない! しかも部署には、2人しかいません。いいなぁ。雇ってくれないかなぁー。 檻の中って副題ですが、理由は告げられず女性がずっと監禁されています(5年)。 気圧を上げる拷問が度々され、そのキーーーーーーーンという不快な音で、こちらの頭の中まで恐怖でパンパンになります。 重たい雲、どんよりした天気、地味、監禁女性、暗い、地味、監禁女性、暗い、もう一回、地味!でも足で捜査する、刑事物の基本を久々に観ました。好感度高いです。 そして、時々差し込まれる監禁女性の悲惨な姿。飽きさせない骨組み、しっかりしてます。 残虐なシーンはないのに、こんなにも怖い。張り詰めた空気。見応えあります。 しかも監禁理由を知って更に怖い&考えさせらるパターンは、最近あまりなかったです。 ハリウッドにはない、渋い深い味わいのミステリーでした。 シリーズ化して欲しいです。
自分の判断ミスで応援を待たずにガサ入れして同僚1名を死なせ、もう1...
自分の判断ミスで応援を待たずにガサ入れして同僚1名を死なせ、もう1名を寝たきりに追いやった責任で殺人課を追われたカールが配属されたのは迷宮入り事件の書類整理専門部署である特捜部Q。そこには同じく署内で居場所のなくなったシリア系移民のアサドがいるだけ。そこで自殺として片付けられた女性議員失踪事件を知ったカールは独自捜査を始めるがそこには大きな闇が横たわっていた・・・というデンマーク産推理スリラー。 原作を知っている人には物足りないのかもしれませんが、短いショットをチラ見せすることで登場人物のキャラを描写し、畳み掛けるような展開と恐ろしくスローなイメージカットが錯綜する緩急自在な構成が実に見事。雪の中で起こる惨劇の残酷さと美しさが均衡するシーンは北欧映画ならではの様式美に充ちていて、見応えのある一級品となっています。
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