「AI時代のデバッグはプロセスの殺し合い?」DEBUG ディバグ odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
AI時代のデバッグはプロセスの殺し合い?
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宇宙を漂流する大型貨物船で悪の人工知能とハッカーが戦うSFホラー。ホラーなのでどんどん仲間がグロテスクに殺されるのを只管怖がる趣向。
コンピュータープログラムの欠陥をバグ(虫)と言います、デバッグとはソースプログラムの欠陥部分を削除、修正する作業のこと、普通は初期のプログラムの動作検証作業ですが本作では停止した宇宙船の制御プログラムを再起動して欠陥があれば修復する作業のようです。そんな高度で重要な作業にコンピューター犯罪者を使うと言う設定自体が意味不明、主役を若いハッカー集団とした方が興業的に受けるとの読みでしょう。
確かにコンピューター用語が飛び交いますが実行単位のプロセスをVRの如く可視化、且つ擬人化して剣で戦わせるというのは奇想天外、AI時代のデバッグはプロセスの殺し合いとは・・。
もっとも宇宙船に鼠が巣食っているというのも訳わからん、宇チュウ鼠?という駄洒落ですかね、もはやSFと言うよりブラック・コメディ。
悪のAIをアクアマンのジェイソン・モモアが怪演、対する凄腕ハッカーのカイダを演じるのはジーナン・グーセン、中国人の母とオランダ系アメリカ人との間に産まれ日本にも住んだことがあるそうな、エキゾティックなタフ・ガール。
脚本・監督のデビッド・ヒューレットさんは当初「2001年宇宙の旅」のHALに触発されプロットを練ったそうですが興業的思惑で若者向けのB級ホラー映画になってしまいましたね。
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