「おっぱいギロチン」ホラー・シネマ・パラダイス 唐揚げさんの映画レビュー(感想・評価)
おっぱいギロチン
父の遺した小さな映画館を存続させようとしている、幼い頃に女優を夢見た凡人デボラ。
しかし、母がその映画館の売却を決め、激昂したデボラは母を殺害してしまう。
さらに、その防犯カメラの映像をうっかりスクリーンに流してしまい…
うっかり流した本物の殺人映像がヒットしてしまったことにより、その手法に味をしめ、殺人を繰り返していき…
まず、設定が面白い。
あくまでもB級ホラーでありながら、脚本や演出などの作りもしっかりしていて、テンポも良いので飽きずにとても楽しめました。
また、2010年の映画なんですが、わざと画質落として、昔の映画っぽくしてある工夫も良かったです。
「今週末新作放映するんですよ」と今から殺す人に言ったり、「空きが出たら雇ってあげる」とスティーブンに言ったり、シャレにならないようなところが沢山あって、笑っちゃいけないけど、笑っちゃいました。
映画を通して、殺人が過激化していったり、地味だったデボラが、メイクと表情で変貌していくのも、なかなか見応えありです。
それぞれのキャラクターも個性的で、登場人物それぞれの視点で、別に何本も映画が撮れそう。
例えば、スティーブンやデボラが追いかけていたものの理想と現実が違ったところとか、エイドリアンや双子の過去も絡めた話とか、もちろん客それぞれの人生でも。
原題、邦題や、劇中に出てくる彼女らの映画のタイトルのパロディから、映画愛に満ち溢れた作品だとも感じました。
皮肉や暗喩など、意外にメッセージ性の高い作品で、この手の映画不足だった自分にとっては、久しぶりにワクワクする映画でした。
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