劇場公開日 2015年12月5日

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「単純に映画技術的に駄作」杉原千畝 スギハラチウネ バラージさんの映画レビュー(感想・評価)

1.0単純に映画技術的に駄作

2025年5月3日
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鑑賞方法:映画館

杉原千畝は立派な人だと思うが、それと映画の出来は別の話。脚本も演出もちょっとどうにもならないくらいひどい出来で、はっきり言って駄作である。

冒頭がいきなり杉原の満州でのスパイ活動から始まるが、いくらなんでもあんな『スパイ大作戦』みたいな最前線でのスパイ活動はしないだろというのはとりあえず横に措くとしても、その一連のスパイ・アクションの展開があまりにベタで陳腐な上に演出のテンポもカット割りもひどくてスリルも迫力もない代物に仕上がっている。

その冒頭を観た時点で不安に駆られたが、以後の展開もその予感を全く裏切らない。話が散漫で展開が平板なのっぺりとした盛り上がりのない映画になってしまっているし、悪役であるドイツ軍・ソ連軍・日本軍の描き方も極めて類型的で薄っぺらい。杉原と奥さんがいつの間にか結婚していたり、独ソ開戦当初からドイツ本土が爆撃されていたり、いざクライマックスでは日本まで逃げるユダヤ人を延々追いかける話になり杉原が全然出てこないなど、映画的におかしなところも枚挙の暇がない。

なにより致命的なのは役者が下手な人たちじゃないはずなのにすごい大根役者に見えてしまうところ。それもおそらく監督の演出が致命的に下手だからで、素人の僕から見ても「なんでそんな芝居させちゃうの!?」と脱力してしまうところが多すぎて役者たちが気の毒になってしまった。

バラージ
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