ヴィンセントが教えてくれたことのレビュー・感想・評価
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聖人かあ?
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貧乏でろくでもない暮らしをしてる爺さんがいた。
隣家に母子家庭が引っ越して来て、少年のシッターをすることになる。
爺さんは口が悪いし人嫌いで周囲から嫌われてた。
だがボケて自分を夫と認識できなくなった妻のことは愛してた。
で長年、施設にいる妻の衣類を洗濯し続けた。
やがて子供を競馬場やバーに連れてったのがバレ、シッターを首になる。
でも少年のは爺の良さをちゃんと見抜いてた。
保護者も参加して生徒が個々に発表する「聖人とは誰か?」のイベント。
少年はその場所でこの爺を聖人に選んだのだった。
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少年は母子家庭で、母は教育費のために仕事に追われて時間がない。
しかもあれこれ口うるさいから、少年が爺になつくのは分かる。
爺もろくでなしだが悪人ではないし、少年との交流は心温まるものがある。
でも、聖人じゃないわ。うん、どう考えても違うw
少年が何も分かってないだけにしか思えん。そこは同調できんかったわ。
せめて「大好きな人」ってことなら、スジは通るけど。
でも爺が不器用過ぎて、仲良しって感じでもなかったし、それも微妙か。
ヴィンセント・ザ・セイント
なんとなく展開が見えてたから、泣くわけないと思っていたのに、泣いてしまったじゃないか!
ヴィンセントの破天荒さ、ひどいものである。
自分ならとても預ける気にはなれない。近づけたくもない。
しかし!
緊急事態発生。仕方ない。鍵取られて家に入れないし。電話もかけられないんだから。
オリバーはひ弱だけど利発な子。
善も悪もわかっている。
ヴィンセントがいかにダメダメかも。
なんせ、やることなすことひでぇオヤジだから。
文句を言いながらも(金欲しさに)面倒を見て…って自分の都合で連れ回してる、とも言うが。(笑)
最初はあまりのひどさに口を開けて観ていた自分だったが、徐々にヴィンセントが好きになっていった。
不思議だ。
ベタベタした付き合いはせず、マンツーマン、対等に会話するところも良かった。
「みんなの中の聖人」のためにヴィンセントの生い立ちから調べて、聖人も同じ人間、と言い切るオリバーに拍手!である。
良いところ、悪いところ、ちゃんとわきまえている。
きれいごとにしていないところが良かった。
オリバー役のジェイデンは、最近観た「ジェイコブを守るために」でも光っていた。
泣けた
日本だったら、授業参観で、子供が親について赤裸々に書き綴った作文で、最後に「そんなお父さんが僕は大好きです」なんてまとめられて、ボロ泣きする西田敏行的な視点の映画ですね。
人生も終着点が近く、何もかもが上手くいかない。
もしかしたらお金で全部解決するんじゃないかと思える部分をさらけ出し、「老い」「借金」「人付き合い」なんかから全部逃げ出し、誇張もせず淡々と描き出したヴィンセントという人物像を、子供の視点を通してあぶりだしていく。
「最高の人生のはじめ方」「リトル・ミス・サンシャイン」「グラン・トリノ」なんかが好きな人にはお勧めの映画です。
2016.10.3
ヤラレタ!!(笑)
《お知らせ》
「星のナターシャ」です。
うっかり、自分のアカウントにログインできない状態にしていまいました。(バカ)
前のアカウントの削除や取り消しもできないので、
これからは「星のナターシャnova」
以前の投稿をポチポチ転記しますのでよろしくお願いいたします。
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子供と老人と言う構図で、落ちは解っていたんだけど
ここまでとは〜〜
本当の優しさや本当の強さや
色んなモノを内包してるヴィンセントじいさん!
お金にセコいのも、ちゃんとそれなりの訳があって
ギリギリのところで人物像が破綻して無いところが
流石な脚本だな〜〜と思う。
『St. VINCENT』と言う原題に繋がる部分はちょっと
やり過ぎ感があったけど〜〜
その後の、
事情はそれぞれ違って、それぞれが問題も抱えているけれど
心が通じ合える人同士が、1つの食卓を囲んで補い合って生きる。
私の一番好きなパターン。
そのテーブルにあの子までいるなんて〜〜〜
ああ、ヤラレタ〜〜(涙)
ヴィンセントに伝えたいこと
お酒に煙草に競馬好き。
借金まみれの自宅で愛猫と一人暮らし。
嘘に罵り言葉で、周囲からの嫌われ者。
偏屈でひねくれ者の初老の男、ヴィンセント。
絶対にこんな人とご近所さんになりたくない!
…ところが、ご近所さんになってしまった引っ越してきた母子。マギーとオリヴァー。
早速揉め事が起きて、第一印象は最悪。
見るからにひ弱そうなオリヴァーくん。
案の定学校でいじめに遭い、定番の体操着帰宅。私物の中に携帯や財布などが入っており、母親に連絡する術が無い。
そこで、恐る恐るお隣さんに助け船。電話を貸して貰う。
ヴィンセントは電話を貸す。嫌々そうに。
マギーは病院で働くシングルマザー。今すぐ仕事から帰れない。そこで、お隣さんの家で預かって貰う事に。
ヴィンセントは預かる。嫌々そうに。
マギーが迎えに来て驚き! 面倒見料や飯を食わせたからその料金を支払わせられる。
ま、シッター料金と思えば…。
その日から、マギーの仕事が終わるまで、放課後のオリヴァーの面倒を見て貰う事になる。
“シッター料金”は貰うが…、ヴィンセントは嫌々そうに。
ヴィンセントの“シッター”はテキトー。
一応車で学校まで迎えに行き、宿題やらせ、飯を食べさせるが、後はシッターらしい事はしない。
が、ヴィンセント並みに気難しい愛猫がオリヴァーに懐き、それは彼も認める。
ヴィンセントの“シッター”は破天荒。
いじめられるオリヴァーに喧嘩の仕方を伝授する。
競馬場やバーに連れて行く。
ばったり出くわしたヴィンセントと親しい“夜の女”。ダカ。
これも社会勉強の一環…?
ある日ヴィンセントは、毎週欠かさず通っているある場所へオリヴァーを連れて行く。
偏屈者だと思っていたヴィンセントの意外な一面を知る。
皆が言うほど、悪い人じゃない。
学校で再びいじめに遭ったオリヴァー。が、ヴィンセントから伝授された喧嘩の仕方で、反撃!
それで相手を怪我させてしまう…。
元夫からオリヴァーの親権を巡って裁判を起こされるマギー。
学校での喧嘩や、競馬場、バー、“夜の女”…ヴィンセント絡みの事を徹底的に突つかれ、結果、共同親権に。
ヴィンセントへ怒り爆発のマギー。
ヴィンセントも嫌みで返す。
ヴィンセントの“シッター”はこれで終わり。
どうしてもお金が必要になったヴィンセント。オリヴァーの為に開いた口座から勝手に微々たるお金を引き出し、一発逆転の競馬!…が、結果は言うまでもない。
さらに、競馬の仲介高利貸しから脅迫催促。
そんな時、ヴィンセントは脳卒中で倒れてしまう…。
退院してきた彼を、悲劇が襲う…。
ユーモラスだけど、クセがあってひねくれ者。もうこの手の役はビル・マーレイの十八番。でも単にそれだけじゃなく、抜群の名演、味わい深さ。
そんなヴィンセントと度々対するマギー。演じるはメリッサ・マッカーシー。名コメディアンvs当代きってのコメディエンヌ!…と思いきや、メリッサは意外にも抑えた演技を見せる。
寧ろ、いいアクセントになっているのはナオミ・ワッツ。ヴィンセントが唯一心を開く妊娠中のロシア人ストリッパーの“夜の女”で、あっけらかんとした好演。
そして本作のもう一人の主人公、オリヴァー役のジャスティン・リーバハー。何と可愛らしい純粋でいい子! でもこの後、怖~い怖~い『IT/イット』の世界へ…。
ヴィンセントの愛猫も好演。
先に『ドリーム』を見たが、監督のセオドア・メルフィは本作でデビュー。ヒューマン・コメディやハートフル・ドラマの名手になりそう。作品は監督の家族や親族の実体験が基。笑えて、泣けて、しみじみ心に染み入るのはそれ故。
脳卒中で倒れたヴィンセントを見つけたのはオリヴァー。
危ない所で命は助かる。
マギーの働く病院に入院し、徐々に回復。つまり、いつものヴィンセントに。リハビリも。オリヴァーやダカもちょくちょく見舞いに。
晴れて退院。退院した彼を襲った悲劇とは…。
妻サンディの死。
ヴィンセントには妻が居たのだ。施設に入院している。
そして妻の存在が、ヴィンセントがお金にがめつい理由でもある…。
妻サンディは重度のアルツハイマー。もうヴィンセントの顔すら分からない。
それでもヴィンセントは8年間も毎週欠かさず通い続け、妻の衣類を洗濯していた。
以前オリヴァーが競馬場やバー以外で連れて行かれたある場所とは、ここ。
そこで知ったヴィンセントの意外な一面…いや、本当の素顔。愛妻家。
施設への支払いが滞納し、退去が命じられ、どうしてもお金が必要だったのだ。
そんな時…
ヴィンセントが脳卒中で倒れ入院している間、妻が…。
妻の遺品を棄てる。
もうシッターが無理なヴィンセントからオリヴァーに最後に一言。
「俺みたいにはなるな」
偏屈でひねくれ者で嫌われ者。さらに愛妻を亡くし、孤独に…。
このまま自ら命を…?
バカ言え! 彼はヴィンセント。
ダカと共に、新しい人生を歩み出そうとする。
オリヴァーのクラスで、課題。
“私の周りにいる聖人”
でもまず、聖人って…?
偉い人。
立派な人。
尊敬出来る人。
犠牲を厭わない。
クラスの皆は歴史上の偉人や両親を紹介する。
超意外な人選。オリヴァーが紹介した“聖人”とは…。
“聖人”の事を馴染みの人たちから話を聞く。
嫌われ者なんて言われてるけど、実は案外皆、彼の事が好き。とてもいい人、と言う人も。
若い頃はベトナム戦争へ。勲章を貰ったほどの英雄。
サンディと出会った。幸せな日々が続いたが、愛妻をアルツハイマーが襲い、もう覚えていなくても献身的に尽くした。死別するまで一途に愛した。
もう一つのトピックスは、一人の少年の面倒を見てくれた事。
色々教えてくれた。
喧嘩の仕方。聖人は闘っている。
競馬にバー、“夜の女”との付き合い方。これらはちゃんと二十歳になってから!
最初は嫌々だった。でも、
勇気、犠牲、慈悲、人間性こそ、聖人の証し。
今再び、多くの人に祝福されながら、愛されながら。
皆さん、ヴィンセント・マッケンナをご紹介します!
ラストは良い。
序盤から中盤にかけては、少し退屈に感じるところとあり、、、
観るのを途中で止めようかとも思ったが、ラスト30分はテンポも良く、ハラハラするし、感動するし、すごく良かった。うーん、もったいない。
オリバーの物分かりが良すぎて、彼の内面をもう少し見たかった気もする。全体的に人物の堀りが薄いのが、序盤退屈な原因か。
ヒューマンドラマ
ビル・マーレイ主役。
借金、ギャンブル、酔っ払いのヴィンセントの隣に母子家庭の親子が引っ越してくる。
そしてヴィンセントがいじめられっ子オリバーの放課後のシッターのアルバイトをすることに。
環境が悪い事ばかりだけれど、賢いオリバーは本当は心優しい人間だとしる。
いろんな人種、生活に追われてお金はないけど、人間らしく生きる姿をサラリと描き、ブルックリンらしい映画。
ドロドロした嫌な人間が出てこない気持ちよく見れました。
ヴィンセントが教えてくれたこと
ヴィンセント嫌な奴さが初めは際立ってはいるが、
オリバーと仲良くなるにつれて割と良い奴に見えてきた。
ウィンセント自体も初めから嫌な奴だった訳ではなく、色んな訳があったのが分かり、それを周りも何だかんだで温く見守ってたりして嬉しかった。
最後のオリバーのスピーチで一気に流れを持っていった感じがした。
ああいうおじいちゃんに周りに1人いたら楽しいだろなぁと少しだけ思った。
感動はあるのかわからない
この映画にはなんか特別な大きな感動とかはないかな。
ヴィンセントはただのダメなオヤジだし。
ただ、なんというか普通のオヤジの人生ってこんなもんなのかな?
劇的な物語や展開、大きな感動がなくても人はそうやって生きていくのだろう。
そんな話だって映画にしてもいいのかもしれない。
ただそこのはほんのちょっと、ときどき良いことしたり、悪いことしたり
なんだかんだとヴィンセントを気にかけずにはいられない人がいたってことは
それが普通の人なのかなと。
ヴィンセントが教えてくれたことという邦題はどうなのか?
St.vincentというのが元らしいが、ヴィンセントは聖人とは程遠い人間ではあるが
あえてヴィンセントみたいな人間でも人は自己犠牲にすることもある小さな聖人だと
いうのがテーマだと思うのでちょっと邦題はおかしいと思う。
邦題がおかしいと内容とタイトルがあってないじゃん!とか文句言いたくなっちゃうので
配給会社はもうちょっと考えて欲しいな。
そんなに偏屈だと思わないのは自分も偏屈だから…?
セリフのセンスがめちゃくちゃ良い。
皮肉が効いている感じが好き。
オリバーが言うには大人っぽ過ぎる、というかプレゼン力は年齢の割にすご過ぎる気もするが。
「お前はオレの何を知っているのか」と何回か言うように、表面と内面は違っていて、人を理解して受け入れていく過程が描かれている。
最後の食事シーンは、多様性が現れていて、映画内での描写が積み上がっていることからも幸福感を感じる。
セリフや写真や表情から、作品内で語られていないことを想像できるのも良い点だと思う。
時折見えるヴィンセントのいい人描写があり、ラストの説得力も十分と思う。
シートベルトや食事のくだりもそうだし、8年間毎週はただただすごい。
"夜勤の人"ナオミ・ワッツは最近こういう役が多い気がするが、演技力高いなと思う。猫とのやり取りから人柄が滲み出ているな。
原題は「聖ヴィンセント」
身近な聖人を探すこと。それが、学校の宿題。
聖人とは、他人に尽くし、徳を積んだ人のこと。
聖人は、別に奇跡を起こして、水の上を歩かなくてもいい。
あなたの身の回りにいる、聖人は誰か。
ある日、ヴィンセントが子守をする少年に、そういう宿題が出るのだが、それはあくまで、映画の背景に過ぎない。
ヴィンセントという老人のダメな生活が、映画の主軸。
確かにダメな生活なのだが、言葉の端々、病後や宿題のインタビューで明白になるように、
いつも常に、彼は、人に嫌われていない。
寒山拾得図のように、文殊菩薩や普賢菩薩が、小汚い格好をして、町の片隅で暮らしているという思想がある。
誠実に暮らしていれば、心が弱ってしまい、馬鹿なことをしてしまったり、虚勢を張っていても、
人が助けてくれて、人が愛してくれる。
そういう、フーテンの寅さんは推奨されないが存在は許される、くらいの社会の緊張度合が、きっと誰しもが生きられるセーフティネットのある社会。
渡る世間に鬼はない。
不合理な人生を、賛歌する映画。
見ている人は、いつも、ヴィンセントの善さを見ていたという後半も温かい。
富裕層じゃないアメリカの話を描くところも良かったと思う。
お前はオレの何を知っているんだ!?
ヴィンセントが他人と分かり合えず衝突する度に発する「お前はオレの何を知っているんだ!?」というセリフがとても重要になってくる。
人生のどこかでボタンを掛け違えて良くない方向に墜ちて行ってしまうことってあるよね?あるある。
初めは、ヴィンセントは世間から逸脱したただの素行の悪いクソジジイなんだけど、だんだんとヴィンセントがいつも抱えている歯がゆさのようなものに共感してしまう。
「ヴィンセントが教えてくれたこと」より「オリバーが気づいてくれたこと」のような・・・
ヴィンセントは、ケンカの仕方とか、ロクなこと教えていないような・・・
ともあれ、ニコっとするような映画でした。
聖人は身近なところに
不良オヤジものって清々しくていいですね。まあ色々悪さしてて問題だらけでも、人間らしさ満載で。ちょっとしたズルをやりあって、汚い言葉も言い合っても、一緒に食える仲間がいると人生は楽しい。
主演は主人公にあらず、の映画でした。
ワルのオヤジ、といっても悪党というわけではなく、酒とギャンブルで身を持ち崩してしまって一文ナシの、そう、いわばダメオヤジが主役の映画。彼が、隣家に引越ししてきた母子家庭の男の子を引き受けるというお話です。
最初のうち、一瞬、これは「カラテキッド」か、とも思いますが、子供を鍛えるシーンはごくわずか、したがってなぜこの子供が学校のワル連中と五分の友達になれたかという点について、ほとんど謎のままで話はどんどん進行してしまいます。
もっとも、早い話、この映画の主人公はこの子供なんですけどね。
どんな人でも、悪い部分、暗い部分に目をつぶり、光があたっている面だけを見るように心掛けている少年の人生観こそがストーリーのキモです。
そのような少年に出会ってしまったダメオヤジも、自分の良い面にだけ光を当ててくれる少年の出現のおかげで、ハッピーエンドを迎えます。
ま、それだけの話なんですが、隣近所で泣いている観客が何名もおいでになっていて、つまり誰かに自分を投影できれば楽しめる映画なんだろうなと思います。
私は、投影する相手がおらず、従って冷静に映画を観察してしまい、冷えてしまったわけですが。
安娼婦役のナオミ・ワッツの芸の幅の広いことには驚きました。
ダイアナ妃から安娼婦まで演じられる名女優の、次回作にも期待したいと思います。
Further On
ベルモントパーク競馬場の場面。
800倍の三連単を当てるが貸し元が見張っている。
喜びを抑えてオリバーとふたりでスったroleをする。
そのときBronze Radio ReturnのFurther Onがかかる。
大金をレジ袋に入れるとスローになって駐車場へ走る。
さびのところで曲がオンになる。
Lead your way
Sing your song
Moving everyday
Going further on
銀行への雪辱をはらし、ふたりはバンダナしてサングラスかけてアイスクリームなめながらコンパーチブルでドライブ。酒場で鼻突き技ダンス。しばしの満ち足りた時。
繰り返し見た。
ゆるい。でもぬるくはない。
快適な映画だった。
豊頬のJaeden Lieberherを、このあと成長を追えるほど諸処で見た。聡明で清潔感あふれ優しくてスラリとしている。adorableが抜けても余裕で生き延びる子役出身者だと思う。さいきんJaeden Martellに改名したようだ。
オリバーがかわいい。 昔は優秀で根はいい人だったとしても聖人とまで...
オリバーがかわいい。
昔は優秀で根はいい人だったとしても聖人とまで言えるかは疑問。
オリバーがそこまで慕う程の何かもう一押し説得力のあるエピソードが欲しかった。
ロクでもない人生に祝福を
物語としては少年とジジイ、それぞれの成長と絆みたいな感じ。
主人公のヴィンセントは飲む・打つ・買うのまさしくクズ野郎だし、
少年・オリヴァーは虚弱っぽい雰囲気。
正直、典型的な構図なことは否めない。
なんだけど、キャラクターに血が通ってるというか、
ビル・マーレイ(ヴィンセント)がほんとに自然で
すげー煙たがられてるんだけど、みんな本当に嫌ってるわけじゃないっていう。
ちょうどいい塩梅の愛嬌みたいなのがすごく良かった。
そんでいろいろとヴィンセントのクズっぷりを見せつけられた後の、あの発表会。
もうそれまでダメさに向いていたベクトルが、一気に愛おしさに向かうというか
ある意味で報いられてこなかった彼の善さが、力いっぱい肯定されるというか。
まぁ要するに泣かずにはいられなかったってシーンで、すげーよかった。
いやー思いがけずずっと記憶に残るような名作に出会っちゃったなあ。
【ほろ苦き日々を少しのユーモアと優しさを携えて生きる。見知らぬ街に越して来た少年の隣人は偏屈な“聖人”だった。】
ービル・マーレイの”デッド・パン”演技、炸裂作品。-
■沁みたシーン は数々あれど・・。
1.ヴィンセントの隣家に越して来た、マギーとオリヴァー(ジェイデン・マーテル:今作の素晴らしき演技により、その後の快進撃が始まった魅力的な若手俳優である。)との最初の最悪の出会いのシーンからの、ヴィンセントがオリヴァーの面倒を見る事になるシーンへの流れ。
ーさり気無く、ヴィンセントの優しさが仄めかされる。マギーから時給を貰うけれど・・-
2.オリヴァーを苛める子供達へのヴィンセントの態度と、オリヴァーに”技”を教えるシーン。そして、その”技”が苛めっ子たちに炸裂するシーン。そして、苛めっ子たちとの垣根は消える。
ー男だったら、売られた喧嘩は買わなくてはいけない・・。-
3.ヴィンセントがオリヴァーに”技”以外に教えた事。
・”あの女の人は誰?By オリヴァー”
”夜の女・・。一番正直にお金を稼ぐ人だ・・By ヴィンセント”
・競馬
”男だったらチマチマ賭けるな・・”
・バーでの酒の嗜み方と男のやせ我慢の仕方
4.ヴィンセントがオリヴァーに教えなかった事。
・認知症の妻が入院している施設に足を頻繁に運び、(医者の服装で・・)優しく話かけ、要望を聞く。
8年間、妻の服を黙って、洗濯する。
ーヴィンセントがどこか寂しげな表情を漂わせたヒネクレタジジイになった
理由が少しだけ分かる。-
・ロシアの娼婦”ダカ”(ナオミ・ワッツ)のお腹の子供の父親。
<”私の周囲の聖人”というテーマで、オリヴァーがヴィンセントの一生をスピーチする場面は、実に心に沁みる。
又、独りで暮らして来たヴィンセントの家がいつの間にか綺麗に掃除され、”皆”で食事をするシーンもとても、良い。
エンドロールでヴィンセントがボブ・ディランと”デュエット”で歌う”シェルター・フロム・ザ・ストーム”がこの素晴らしき映画の余韻に実にマッチングしている作品でもある。>
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