「名優」先生と迷い猫 U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
名優
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もの凄く繊細な映画だった。
とにかく主役の表現力というか幅というか…流石って感じでした。
もう、皆さん平成の世界観の中、1人昭和を引きづりながら生きている様が圧倒的だった。
同じように狭い世界を徘徊する、先生と猫。
自分の存在する意味を探しあぐねてるって事を自覚したくない先生。
何のアテも意味もなくても、皆に可愛がられてる猫。
…嫉妬なのかな?
それとも、否定された気にでもなるのだろうか?
劣等感なのかもしれない。
猫に?
いや、他人に必要とされる存在に。
先生は、贖罪もあるのかな?
居なくなった猫を探す。一生懸命。
…ラストは、あんな感じにしかならないのかな?
完全な孤独死にみえる。
儚いよね。
あの少年が宙ぶらりんだから、カウンセラーになる未来もあっていいようなもんだけどなあ…。
尾形さん、岸本さんが最高に良かった。
全く、何一つ、身構えてないようにみえる。
とにかくだよ、こんな静かな映画で、今の俺が寝なかったってのが信じられない。
尾形さんの最初のカットから、ただ者じゃないぞ感満載だ。
やり過ぎかと思ったが、観賞後思い返すにクスッと笑ってしまう。
そんな事まで視野に入れて撮影してたのだろうかと考えてしまう…。
引き絵の尾形さんを観てるだけでも楽しいなんて…人間への造詣の深さみたいなもんなのか?ただ単に自由なのか…。
岸本さんは、この静かな映画で唯一の弾け方を目一杯やってくれてた。
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