「主役は人。猫が繋いだ人々の優しさ。」先生と迷い猫 映画コーディネーター・門倉カドさんの映画レビュー(感想・評価)
主役は人。猫が繋いだ人々の優しさ。
【賛否両論チェック】
賛:偏屈で頑固者だった主人公が、猫探しを通して、少しずつ人との絆を再構築していく様子に、心温められる。案外豪華なキャストにも驚かされる。
否:展開は極めて静かに進むので、感情移入出来ないと眠くなりそう。終わり方も結構唐突で、賛否両論があるか。
それまでろくに他人と関わることもせず、ただただふんぞり返っているだけだった元校長先生が、“亡き妻の愛猫の失踪”という事態に面食らい、自然と猫探しを始めるまでの過程が、ぎこちなくも微笑ましく描かれていきます。そして、そんな猫探しがきっかけとなり、それまで疎遠だった街の人々とも、叱られながらも少しずつ関係を築いていく様子も、なんだかとても温かいです。
その反面、展開はかなり淡々としているので、よほど猫が好きな方や、物語に感情移入出来る方でないと、かなり退屈してしまうと思います。
どちらかというと、ゆったりと落ち着いた雰囲気の中で、自分の半生や大切なものを見つめ直したい時に、オススメな作品です。
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