「Mommy」Mommy マミー 重金属製の男さんの映画レビュー(感想・評価)
Mommy
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ADHD(注意欠陥・多動性障害)を抱える人々の存在をSNSなどを通して知る機会が多くなっていた。その症状について「遅刻が多い」だとか「片付けができない」だとか、とにかく漠然とした知識しか持っていなかった。もちろん人によって症状の程度に差はあるのだろうが、彼らが直面する現実をこの映画を通して垣間見た気がすると言ったら稚拙だろうか。
冒頭からダイアンとスティーブの放つ言葉は刺々しく、お互い比例し合うように感情を剥き出しにする。それと対比するようなカイラの吃音。「キャラクターが主役になって、観客の視線も否応なしに集まり、目が離せなくなる。」という理由のもと設定された1:1の画面比率も手伝って、彼らの感情の機微を感じ取ろうと必死になれた。
この映画で一貫して描かれているのは「母子の愛」なのであるが、それは時に率直であり、時に歪なものであった。ダイアンとスティーブに通底しているのは互いに必要とし合っているという穏やかな愛情であるにもかかわらず、どうしようもない現実や未来への不安を目の当たりにするたびに、そんな愛情を守るべく交わされる言葉で、見失いそうになる愛の存在を確かめているのだろう。
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