「みんな、この映画観て、よく考えよう」ズートピア CBさんの映画レビュー(感想・評価)
みんな、この映画観て、よく考えよう
警官になりたいウサギのジュディが、差別を受けながらも夢を実現し、狐の詐欺師ニックと、カワウソ誘拐事件を追い、街の秘密に行き当たる話。
楽しい映画なので、気持ちよく観られます。
でも、実は、真面目な映画。
多数の弱者による思想の暴力。
みんな、この映画観て、よく考えましょう。
CGの出来は相変わらず凄い。今回の売りはさまざまな動物が二足歩行する上に人間の動きをすること。モーションキャプチャー花盛り。
2020/4/19追記
知人が言う。
「××は悪いヤツだったよなあ」で終わって欲しくない。
前半、差別を受けまくってきたジュディが、後半、事件を解明していく中で、「肉食獣は、やはり凶暴で横暴だから排除しないといけない」と思い込んでいる。つまり差別する側に回っている。
差別というのは、誰でも差別する側に回る場合がある、ということを、この映画を観て実感したい。差別の交差性を、体感してほしい。
街をよく見れば、歌手はガゼルで周りのダンサーは虎、マフィアのボスはネズミでそのボディガードは白くま。詐欺師をするような、経済的に困窮している側にいるのは、狐、フェネック、テンと肉食獣ばかり。
本当にこの街は、肉食獣ばかりがいいように振る舞っているのか? よく考えると、そんな疑問が生じてくる設定も、上手いと思う。
「お前は狐だから、お前に騙されないように、用心しないとな」という、決めつけの差別(狐だから、騙す)が、なくなるといいな。
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