「「良くでき過ぎている」のが欠点!?」ズートピア pepperleeさんの映画レビュー(感想・評価)
「良くでき過ぎている」のが欠点!?
ディズニー、ピクサーのアニメーションはなるべく観にいこう
といつも思っているので、観にいった作品。
あまり注目はしていなかったけども、評判通り良くできていた。いや、良くできすぎていて、ちょっと物足りなかったとも思ってしまいました。
以下、詳細。
お話は、警察官を夢見るウサギと、生まれながら詐欺師に見られがちなキツネ、世界からどう見られてるのか、どう向き合うのかを描いています。ウサギだから警察官なんて無理だよね、キツネだから誰かを騙すはず…そういった現実世界の人種や差別の比喩として動物のイメージが使われています。
この、差別する・されるの展開が見事で、どこにでも差別はできるし、強弱の入れ替わりなんてすぐに変わる、という悲しい現実も、映画できちんと描かれます。
そういった意味で、この映画は脚本に穴がなく「良くできている」し、CGも可愛らしく、感情豊かに表現され、動きも楽しいので完成度がめっちゃ高いです。
…のだけど、なにか、感情に訴えるあとひとつがないんです。個人的なものだと思いますが。そこはたぶんただただ相性なのかもしれません。
『アナと雪の女王』は、脚本も穴だらけで、キャラもそんなに立っていないけれど、エルザの歌のシーンは本当にエモーショナルで、あれだけで心をわしづかみにされてしまった。そういったいびつでも心を持っていくシーンが、ないなあと。
それを毎回求めても無理はあるのかもしれませんが。
最後に、主役二人のキャラクターは本当にかわいいので、気になる方はぜひ観てください。キツネのニックは相当なイケメンなので、モテるんじゃないかな。