「ロスチャイルド臭ぷんぷん」ズートピア movie mammaさんの映画レビュー(感想・評価)
ロスチャイルド臭ぷんぷん
何をどう考えるかは個人の自由だが、
人間が人間を認知する過程で分類がある以上、
①他人が自分を見る目にも、
②自分が他人を見る目にも、
③自分が自分を見る目にも、
「所詮〇〇」は付きまとうと思う。
そのうち、③自分が自分を見る時だけでも、所詮を取り払えたら良いが、①他人が自分を見る目に所詮が付きまとう以上、キツネのように思われた通りに生きる方が楽なのも確か。他人の所詮の枠をぶち壊すまで、ウサギのように理想に向かって突き進むのもあり。
でも1番気を付けたいのは、②自分が他人を見る時の「所詮」を取り払う事。
日本も移民社会になっていくだろうから、そう遠くない自分事として鑑賞した。それでなくても、小さな先入観って至る所に潜んでいる。気をつけねば。
作中でも、〇〇なお前は、私は〇〇だから、と何度も出てくる。環境が理想郷ズートピアでも、それぞれの意識を変えるのは本当に本当に難しいこと。
それでなくても、人類の民族分類同様に、生まれ持った体格や習性からして、向き不向きが異なる。
多くの白人はうさぎの立場で考え、多くの黒人も、うさぎの立場で考えるのだろうな。
うさぎ自身も最初は「私はうさぎなので〜」など、きつねへの先入観以外に自分の種族への逆差別もある気がした。
頑張り屋だけど、キツネがいないとちょっとだけ暑苦しいしかなりの浅はかな世間知らずで正義感を振りかざす、個人的には苦手なキャラ。
気になったのはなにかと出てくるアップル推し。ディズニー制作だし、ロスチャイルド臭ぷんぷん。劇場でコカコーラも売れまくりだろう。ほんと、次々上手い事やるなと思う。
ゾウ用のアイスが、小分け割高に体格が小さなネズミに売れるなんて社会の縮図だと思う。
カカオ豆にコーヒー豆、全部こんな感じだし、欧米サイズと日本サイズが一食単位でそう単価が変わらないなんて世の普通。
子供にズートピアを見て学んで欲しいことは、なんにでもなれるということと同じくらい、この場面だなと思った。世の中売買とその利益で成り立っていると理解しないと、個人単位でも外交単位でも簡単に騙される。
そして、劇中のお金持ちのちっこいねずみ一族はいわゆるユダヤ系に見えてならなかった。
警察トップが、草食動物だが強い、水牛なのが鍵だと思った。警察の体育会系をとてもよく表現しているが、水牛のおかげでかろうじて公平性を保てていた気がする。
草食で彷徨う子羊、目覚めていないイメージがある羊が主犯なのが裏をかいていてよい。
警察まで買収されていなくて良かったが、「夜の遠吠え」のキーワードが、植物を食べない警察の肉食動物達にはピンとこないから捜査に時間がかかったのか。
偏見や差別は、あからさまでなくてもうっすらと判断の根底に残ってしまうのが世間の常で、消えて無くなる事は絶対にないと思うが、その中で、伝聞や先入観、所属や肩書きで判断せず、個々を見て決めていく事が大切なのだろう。とても考えさせられた。
私はキツネのキャラがとても好き。
色眼鏡で見られてしまうがゆえ、そう生きるしかないって、色んな場面である気がする。
なぜ狙われたのか、犯行の用意周到な計算高さなど考えれば考えるほど、今回の悪役は非常にガクブル。
データベースにアクセスするシーンで、羊が既に囚人服オレンジのスカートを履いているよと子供が気がついた。公開当時には気付かなかった発見。