「観客の心を刺しに来る恐ろしい映画」ズートピア みじんコさんの映画レビュー(感想・評価)
観客の心を刺しに来る恐ろしい映画
安倍総理が4/26、保育士の給与水準を「女性の全産業平均」と比較して(引き上げの)基準にしたという話を聞きました。
「ふーん、そうなのか」
その言葉に疑問を持たない人も多いでしょう。
しかし、なぜ保育士の給与基準が「女性の」平均給与を基準に論じられなくてはならないのでしょうか?
なぜ、男女全ての業種の平均を元にそれが論じられないのでしょうか?
そこには厳然と「保育士は女の仕事」という「決めつけ」が存在するのだと思います。
国のトップがこういう感覚で政治を行い、多くの国民(多数派の人々)がそれに疑問を持たない。
「昔からそういうものだった」
そんな多数派による
悪意無きステレオタイプの「思い込み」が
人を型にはめ
人の生き方を既定し
人の自由を奪う
それこそが
「最も恐ろしい罪」なのだという事をこの映画は告発していると思います。
人の自由は圧政や暴力によって奪われるのではない
善良な多数派の人達の無意識な思い込みによって略奪されるのだ。
甘い甘い砂糖菓子でコーティングされているけれど
そんな無意識の略奪者である私達の胸にグサリと突き刺さるナイフを忍ばせている… そんな恐ろしい映画です
必見。
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