劇場公開日 2015年4月10日

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「よく分からない部分も多かったが、とりあえず凄いものを見た気はしたかも」バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡) スペランカーさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0よく分からない部分も多かったが、とりあえず凄いものを見た気はしたかも

2016年9月13日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

難しい

とりあえず見終わって一言・・・疲れました。
映像も独特だし、台詞も多いし、難解な解釈のシーンも多々ありましたので、もう映画の内容がどうこうと言うよりも、とりあえず見終わって疲れたと言うのが率直な感想ですかね。
しょうもない映画ばかり見ている自分には、ちょっとハードルが高すぎた作品かも・・・。
とは言え、基本線はもう一度役者として脚光を浴びたい、そして家族の絆を取り戻したいと願う男の話でしたので、まあ細かい部分でよく分からないシーンは数々存在しましたが、ある程度ふんわりとは楽しむことが出来たかなと。

しかし噂には聞いていましたが、全編ワンカットで撮影したかのような映像には、なるほどアカデミー賞も納得の撮影技術だったなと、とにかく驚かされましたよ。
私レベルでは切れ目が全然分からなかったです、大体一週間ぐらいの出来事を、よくもまあこんな風に作り上げたなと、ただただ感心するばかりでした。
そして現実なのか虚構なのか、見ている方も主人公の心模様と同じような迷路に迷い込んでしまったようで、とにかく疲れたなぁ~。

それから音楽の大半がドラムスコアだったことも印象的でした。
下手するとただうるさいだけになってもおかしくない何とも挑戦的なドラム音でしたが、主人公の心情にピタリ嵌って、完璧に映画と一体化していましたよね、これはホント素晴らしかった。
ブロードウェイの舞台裏を覗けたのもちょっとしたお得感。
とは言え、私は舞台はあまり見ないので、劇中劇も相変わらずつまらなさそうだなと思ってしまったのですが(苦笑)
しかし舞台と映画のいがみ合い的な演出はインパクトあったなぁ、劇中の女性評論家さんの言い分には妙に納得、でも主人公の反撃にもそうだ~と思わされる部分があったりで、まあ何かとシニカルな切り口にニヤリとさせられた作品でしたね。

しかし本当に過去バットマンを演じていて落ち目になったマイケル・キートンを主役に抜擢する辺りは、何とも心憎い配役でした。
アメコミ映画を皮肉っているのに、脇役陣や台詞に出てくる役者がアメコミ映画出演者多数なのも何か笑えました。
で、内容自体は面白かったかと言われると、私には理解不能な部分も多くて、映画通の方々のようには満喫できませんでしたが、とりあえず凄いものを見たと言う変な満足感だけは得られた作品でしたね。
まあでもエドワード・ノートンはさすがだなぁ、本当にイラっとしました!

スペランカー