「結局はアメリカ万歳」アメリカン・スナイパー ちかしさんの映画レビュー(感想・評価)
結局はアメリカ万歳
決して悪くはなかったのだけれど、観終わってひとつ不満が残った。この作品、決して戦争の是非に関しては触れていないながらそれでも観た側には悲壮感が残って戦争の悲惨が伝わり、そこはよかったのだけれど、結局はアメリカを賛美する作品になってしまっていた。もちろん主観的な撮り方なので敵国の描写はないとしても、味方が撃たれるシーンのみ苦しむ描写があり、その後反撃に乗り出す場面では後押しをするかのようなノリのよい音楽が流れ始め、最後までアメリカの姿勢に疑問を呈すことはなかった。アメリカという自国絶対主義の国において「間違っている」という発言をすれば興業的にも失敗して叩かれるのだろうけど、そこが幼稚だった。アメリカにもイラクにも、苦しむ兵士も嘆く家族もいる。Chrisが殺した人間全員が悪者だったのか、そうではないだろうに。良くも悪くもアメリカらしい。
音声のないクレジットが印象的。
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