「見たい人が見たいように見る映画」アメリカン・スナイパー ごいんきょさんの映画レビュー(感想・評価)
見たい人が見たいように見る映画
クリント・イーストウッドの「アメリカン・スナイパー」を見た。迫力ある引き締まった映画で、常に乾いた銃の音が轟いていた。
クリント・イーストウッドの戦争映画といえば、私は「戦略大作戦」が好きで、劇場でも見たし、テレビやビデオでも何回か見ている。45年前のそんな映画を思い出しながらも、作り物でない本物に近い戦争映画を作った彼の腕前と時代の彼岸を感じていた。
ところで、この映画をどのように評価するかだが、イラク戦争を正当化する作品と見ることもできるし、逆に戦争で心を病んだ兵士たちとむなしい戦いを映し出すことによって、反戦のメッセージを発しているととることもできる。クリント・イーストウッドはあえて自分の主張を前面に出すことはせず、淡々と事実を描いていく。
結局は、この映画を見る人たちは自分が見たいように解釈をし、自分が得たいメッセージを受け取ることになるのだろう。
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