「白黒つけてない映画」アメリカン・スナイパー 大津雅也さんの映画レビュー(感想・評価)
白黒つけてない映画
クリックして本文を読む
国を守るため、正義を守るためと飛び出していくがたとえ生きて帰ったとしても戦争でおった傷は当人の人生に大きな影響を与えてしまうのだと伝えている映画だった。
よくある戦争映画は反戦もののはずが存外戦争のドラマがかっこいいだけに、好戦的な映画になってしまうこともある。
しかしクリントイーストウッドの戦争映画は父親たちの星条旗に続き二作目の鑑賞だったがいずれも米軍目線で進むものの、アメリカを正義のヒーローとして描いている完全超悪ものにはなっておらず、巻き込まれていく男たち、命のやりとりをする無情さ、戦争の虚しさを教えてくれる。
ラストに実際の葬儀の映像がでて、クリスを英雄視しているなどの指摘もあるが、あのシーンはクリスの戦場での無情な思いを置き去りにして、アメリカでの賞賛が一人歩きしているというような悲しい意味だと感じた。
コメントする