「英雄の真実」アメリカン・スナイパー しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
英雄の真実
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字幕スーパー版で鑑賞。
会社の同僚と観に行きました。
鑑賞前の印象は、クリント・イーストウッド監督にしては珍しく、アメリカ万歳映画なのではないかと思っていました。
ところが観てびっくり。アメリカを称賛するわけでは無く、かと言って戦争反対をテーマに掲げているわけでも無く…
戦争と云う不条理な出来事が、ひとりの男の心に齎した傷を真正面から捉え、真摯に向き合っていく作品でした。
伝説のスナイパーと讃えられながらも、戦場において(任務とは言え)多くの人を射殺し(中には子供もいました)、仲間の死や傷つく姿に直面して来ました。
敵の凄腕狙撃手との死闘など、生きるか死ぬかの瀬戸際に常に立たされ続け、1秒先の自分の運命さえ見えず、いつ死が訪れてもおかしくないと云う恐怖に怯えながら戦う日々…。戦争の緊迫感が痛ましいほどに伝わって来ました。
極限の死地から帰還しても、そこでの壮絶な経験は彼の精神を確実に蝕んでいて、PTSDを発症。日常生活まで脅かされてしまいました。それでも愛する家族のために、退役軍人の社会復帰プログラムに参加するなどして立ち直ろうと努力していた矢先の悲劇。なんと云う不条理か…
英雄の現実に、心が締めつけられました。
※修正(2022/06/11)
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