「見つめる」アメリカン・スナイパー チャーリーさんの映画レビュー(感想・評価)
見つめる
スナイパーというだけあって、「見つめる」ことが随所に見られましたね。
当然、スコープを見つめる。
帰国時の家で、モニターを見つめる。
妻と二人のベッドで、虚空を見つめる。
新生児室のガラス越しに娘を見つめる。
そして見つめる先にクリス・カイルが見出すのは、常にありのままの外界ではなく、クリス・カイル本人の心だったのだろう思います。
今のアメリカをただ淡々と描き出そうとしたこの作品には、決して論争を呼ぶような政治的な偏りはないのだろうと思います。
ただただ、私たちはいったい何を見ているのだろうか、その自問をアメリカ国民に、そしてこの映画を観る者すべてに促すものだったのだろうと思います。
『グラン・トリノ』を撮ったイーストウッドの流れが、この作品にはあると思いましたね。
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