「ガストン個人を描く映画ではない」料理人ガストン・アクリオ 美食を超えたおいしい革命 doronjoさんの映画レビュー(感想・評価)
ガストン個人を描く映画ではない
ガストンにフォーカスが集中している映画だと誰もが思う。
彼の素材や1次産業者への敬意、料理に対する態度は素晴らしいし、料理人としての才能は間違いなくある。
そして、人間性も素晴らしいことが伝わってくる。
ただ、冷静に考えるとこのレベルの料理人は日本にも少なからずいると思ってしまう。
「革命」という言葉が踊り、国民的英雄とまで彼がなったのは、彼がペルーをベースにしたからだろうなと思った。
日本は世界遺産「和食」だけでなく、世界で認められているものがたくさんある。
だから海外で少々成功したくらいでは英雄とまではなれない。
一方でペルーは…。
ペルー人の世界における扱いや国内の暗い情勢、などが映画の中でも描かれていた。
実際、著名な遺跡以外に世界的に認められているものは思いつかない。
そういう場所で料理という人類の共通言語で世界に認められたから、彼は英雄となったのだろう。
というように見ると、この映画はガストンを追いつつも、彼がどういう人物かを描きたい映画ではないことが分かる。
そして、そのように観たほうがより深く楽しめる映画だと思った。
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