劇場公開日 2015年5月8日

  • 予告編を見る

「映画としては・・・でも、クラッキング技術的には・・w」ブラックハット 徹2001さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0映画としては・・・でも、クラッキング技術的には・・w

2015年5月16日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

知的

映画としては、何とも…。たんなるドタバタで終わってしまった気がします。けど、後から、パンフレットを読んで、これはと思ったところを。(株)サイバーディフェンス研究所の名和さんが解説をしていました。(元航空自衛隊セキュリティー担当の方)

1)「スピアフィッシングメール」(いわゆる、標的型攻撃メール)
 ターゲットをきちんと分析して、ターゲットに疑いがなく開かせるようにする。最近日本の公官庁もターゲットにされていました。(作品の中では、ターゲットの上司の名前を入手して、メールを開くようにもっていきました。)

2)「スタックスネット」
 監視員のモニターのデータを一定期間キャプチャーして、攻撃の最中のカモフラージュをすること。これはあまり一般人には縁がなさそうですけど。自分のPC・サーバをクラッキングされた場合の、ログファイルの偽装などと同じと考えると、気をつけなくてはならないかも。

3)「BadUSB攻撃」
 USBをポートに差し込むことで、PCへの侵入をはかるもの。本当に、ここ1年くらいでなにげに話題になっている攻撃方法。USBの設計上の致命的な脆弱性であって、現時点では解決されていないもの。(美女が、このデータをプリントアウトして欲しいと、警備員にUSBを手渡しする。あんな美女に依頼されたら、俺もいちころだわ。)

4)監視カメラの乗っ取り
 IPを持ったネットワーク接続の監視カメラが増えてきているから、これから日本でも、こういう事例が増えてくるかも。ネットワークカメラのOSはたぶんLinux。UNIXの知識があれば簡単に乗っ取れそう。

作品の中で使っているUNIXのコマンドは、ごくごく基礎的なもの、mount who is 的な事くらい。ソースコードはちょっとわかりませんでした。でも、PCのプログラミング技術も大切だけど、最後の一押しには、ソーシャルハッキング(人間によるだましのテクニック)が重要になるということ。

徹2001