すれ違いのダイアリーズのレビュー・感想・評価
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爽やかなタイ映画
タイ映画は久々に見たが、タイには今もこのような水上学校があるということに驚いた。
ストーリーは日記が二人を結びつける重要なアイテムになっているところが斬新でよかった。最初からバックに流れる音楽の明るい雰囲気で、二人が恋に落ち、ハッピーエンドになるのだろうと想像できてしまうが、タイの綺麗な風景と子供たちの素朴さに嫌味がなく、最後まで心あたたまる気持ちで見ることができた。
強いて難を挙げれば、二人が敢えてなかなか遭遇しないようにしむけているような展開が多かったり、彼女の揺れ動く心の動揺を表現して、わざと長引かせるよう展開もあったりして、もう少し短く、90分位にまとめたほうが良かったのではないかと思った。特に最後のほうで、春休みに(翌日)、彼が水上学校にやってくることになっていて、そこで子供達と一緒に彼を迎えるシーンでエンディングで十分だったのに、前日に元婚約者がやってきて、一瞬よりを戻すことになっていたが、これは不要なエピソードだ。子供達に電車を教えることを言いたいのだったら、別のシーンでもできたはずではないか。
アジアの素朴な学校もの 分校と、新任教師と、日記帳。これぞ三種の神器です。
山編が「ブータン、山の教室」ならば、本作品は水郷編。
秀作。素晴らしい。
・・・・・・・・・・・・
僕が高校時代に始めた「LOVEデスク会」については別のレビューで触れたことがある。
退屈な物理の時間に、物理教室の大きなグレーの机に鉛筆で書き込み。シコシコ。
次の時間、よそのクラスの誰かがそれに返事を書いてくれる・・♪
見ず知らずの誰かが、先生への悪口やら人生の悩みやら、美味しいかき氷屋さんの情報を残し、それへのレスポンスが幾人もの筆跡で日々増えていくのだ。
思えばあれは“チャットの原型”だったのだなぁ。
タイ映画の本作は
製作年が2014年だから、スマホやLINEなど存在しなかった頃の、懐かしき良き時代の話だ。
新任教師たちが、その夢と、気負いと不安を綴った日記帳。
この小さな古びた日記帳という“秘密のツール”が、特別の場所から発見されて、時を隔てて知らない誰かと突然、筆跡と心が繋がるのって、それこそワクワクの極みだと思う。
「アラバマ物語」の木の洞にも
「ラストエンペラー」の玉座の下にも特別の秘密があった。
ちょっとホラーなツールの例では楳図かずおの劇画「漂流教室」でミイラの体内を使って、荒廃した未来と現代との間で文通が成立する。
水郷の分校。
トイレでの闘い。
子供たちと教師の素朴な共同生活。
そしてエンディングで、前任者のエーンと新任のソーンとの初対面。こんなにこちらまで嬉しい気持ちにさせてもらって、僕はあのシーンを見る。
あんなに祝福したい気持ちで若者たちの出会いのシーンに立ち会えたのは、他にあまり覚えがないな。
タイ映画いいですね!
タイ映画がこんなにも美しく感動的なものとは知らず、驚きました。
水上学校ならではのトラブルに翻弄される様子、子供達と心を通わせていく喜び、うまくいかず悩んだり孤独を感じたりする姿、日記の中の彼女(彼)に共感し、惹かれていく様子等が丁寧に描かれており、主人公の男女二人に感情移入しながら見る事ができました。
主人公の女性が彼氏と男性主人公(ソーン)の間で揺れる気持ちの描かれ方も好きです。
彼氏が浮気した。それでも彼氏の事を受け入れる。でも最後は、教師として、人間として尊敬し、惹かれるのはどちらなのか気付き、ソーンのもとへ。これがもし、彼氏が浮気した。だからソーンのもとへ。これだと、消去法で残ったのがソーンだったと受け取れかねませんが、そうでは無いところが良かったです。
良質なタイ映画作品。優しい気持ちになれますよ。
初鑑賞のタイ映画。エーン先生とソーン先生の時折見せる優しい表情が温かい。日記と校舎と子供達を通しての間接的繋がりが絶妙。子供達、天使。映像と音楽も優しい。でもトイレの下はホラー。(笑) 2人のこれからの人生に乾杯!
すれ違いのダイアリーズ
水上学校で教えることになった2人の教師の映画
恋愛半分先生の成長記録半分ってな感じでとても観やすいストーリーだった。
顔も知らない相手だけどあの日記を読みながら同じ苦労を味わっていくにつれ書いてる人を想像し、好きになっていく主人公の様子は凄く共感できた。
そしてヒロインのどんな苦境に立たされても軸がぶれずに前に進み続ける姿は格好良かった。
少し意外ではあるけれど終わった後明るい気持ちになれる映画!
穏やかに伝えてくる
映画って観客に登場人物と同じ気持ちになって、伝えたいこと伝えるためにあるのかと思った。
それを達成するために、カメラワーク?構成?設定?俳優の演技力?どれをどんな形でするのか考えないといけない。
いろんな要素(教師としての熱意と現実のギャップ、日記で心を通じあわせる、学校は人間の幅を広くするなど)を入れてるけど、どれも"理解"出来るってすごいと思った。
ゴジラ並み
処世に於ける不器用な人、もしくは弱者の立場を擁護し、温かい視線で彼...
処世に於ける不器用な人、もしくは弱者の立場を擁護し、温かい視線で彼らを見守る物語。
いつしか僕たちが忘れてしまった、素直な感情と純粋な志を思い出させてくれるキャラクターたちの振る舞いに感情を揺さぶられっ放しの110分。
子供のみならず、大人にあっても学校とは人間を豊かにする重要な場であることを再認識させる作品。
なかなか
音楽◎
映像◎
女優◎綺麗
感性の違いの話があるけど、ほんとはドッチも大切。
教育論も、多分ドッチも大切。
だけどこれはエンタテインメント。
だから、主人公じゃない人は、引き立て役。
浮気が発覚するくだりは、不自然過ぎて爆笑した〜
会ったことのない男女が一冊のダイアリーで恋に落ちる。タイ発、珠玉のハートフルムービー
生まれて初めて、タイの映画を見ました。
その1本目がこんなにもクオリティ高いとは〜(*_*)
数年前に見たインド映画『きっと、うまくいく』を彷彿させるような優しさと温かさと心地よさに溢れた作品でした。
上映中、まだまだ終わって欲しくないと思わせる映画、これからの映画人生 何回も見たくなる作品の一つになりました。
多くは語りませんが、文句なしオススメです。
こんな素朴で味わいのある映画を何で日本で作れないのかなと思いました...
こんな素朴で味わいのある映画を何で日本で作れないのかなと思いましたが、演じている俳優を知らないからいいのでしょうね。作りも同時並行で進み工夫が見られました。タイ映画侮るなかれ!
香取慎吾?
小学生と一緒になって鉄棒に興じる青年の、屈託のない目を見て香取慎吾が主演かと思った。このタイの俳優さん、とても雰囲気が似ている。
さて、二人の不遇な教師がタイミングをずらして僻地の水上小学校へ赴任する。この二人が最後に出会うことは誰にでも分かる筋書きなのだが、そこへ至る二人の青年の対比が上手く表現されている。
物語の中心アイテムが日記という文字メディアなので、これを巡る話を映像で表現することは簡単なことではなかっただろう。
しかし、湖上の小学校に馴染むまでの二人の異なるアプローチを絶妙の編集で交互に提示して、前半をまったく飽きさせることなく語りきる。
映画が停滞するのは女性教師がフィアンセに求められて都会の学校へ戻るシークエンスから。
副校長でもある婚約者と教育方針が異なることで二人の間の溝が深まり、彼の不義が発覚することでこの二人の関係は破たんする。
そこでこの件は終了してしまえばいいのだが、この婚約者の未練がしつこい。このしつこさに辟易するのは相手の女性ではなく、むしろ観客のほうであろう。彼が船に乗って水上小学校へ迎えに来たときはあきれてしまった。
これはもう、韓ドラの世界である。TVでの放映時間に合わせて視聴者の気を持たせ、落胆させるあの手法。これを映画でやってしまった。
もしかしたらこの作品は、もともとTVドラマとして製作したものを劇場用に再編集もしくはリメイクしたのかも知れない。いずれにしても、TVの文体と映画の文体には大きな隔たりがあることを思い知らされることとなった。
真夏に爽やかなラブストーリー。
思わぬ掘り出し物だったのがとても嬉しい、タイ産の一本。
アクション、コメディに続き、恋愛映画でもここまでやるのか、と驚かされた。
基本はベタな物語だが、場面転換と音楽の使い方、そして物語の編み方がとても上手い。
恋愛以外のテーマの盛り込み方も上手く、人物描写と対比もすっきり整理されていてよかった。
おかげで感情移入が非常にしやすく、恋愛ものが苦手な自分が終いにゃ「もう幸せにしてあげて!」とハラハラする始末。
そしてラストシーンの真っ白な日記がこれから始まるような爽やかさといったら…
一粒で何度かおいしい、男性にも勧めたい作品。
途中まではエエ話でしたが・・・
タイ映画は初めて観る気がしますが、こんな王道っぽいしっかりした映画があるんだと驚きました。
なんとなく韓国でヒットしそうな作品っぽい雰囲気?がしました。(すみません、超適当です)
ヒロインが勤めてた時期と主人公が勤めてた時期の話を同時並行で進めていて、反復させたりする技法もあったんですが、見ててあまり心地よさというか「そうやって被せてくるか!」という面白みは感じませんでした。
主人公が自分から教師を辞めて学校に通いなおすと言ったところでヒロインとすれ違ったまま終われれば、切ない感じで締めれた気がしますが、そこからがダラダラ長くて・・・。
あと、ヒロインが、元々付き合ってた彼氏と別れるとき、「仕事のこと(教育論)で分かり合えないから恋人としても分かり合えない」と言っていたのは理解できませんでした。一つの分野でたまたま意見が合致しただけで相性がいいって考えは危険でしょ、と。そこから主人公に乗り換えたのも素敵な出会いには思えなかったので、恋愛話としては全く共感できませんでした。
侮れない。
タイの映画は観たことがなかったが、タイトルと簡単なあらすじに興味が沸き鑑賞。
タイ映画だから・・・と少しなめていた所もあったが、とても良かったです。
水上分校という私たちには遠い世界ではあるのだが、教師としての熱意や、子供たちへの愛情、そして恋人を想う寂しいという気持ち、それらが絶妙に絡まってついついその世界に引き込まれていきます。
前任のエーン先生の変わりゆく心情、後任のソーン先生の熱血漢、子供たちの信頼、どれも丁寧に描かれていたように思います。
映像も含め素敵な映画でした。
見る価値あり!
機会があれば見ても良いというレベルで考えていたけど、見て良かった。
ダム湖に浮かぶ小学校(分校)の教師が、前任の日記を通して、成長し人柄に惹かれる。その設定はお国柄(タイ)独特であるものの、青春期の男女の心の触れ合いとしては、純粋で未来を見る強さを感じる。
映画としても、ストーリー性、場面構成は抜群に素晴らしい。
●ピュア。
会ったこともない女性に恋をするって、なんかステキだ。
水上学校は孤独だ。前任者のダイアリーにすがりたくもなる。時間はたっぷりある。いろいろ想像する。そしてすれ違う。なかなか出会えないだけに想いが募る。
彼女が信念の人でよかった。長いモノに巻かれない。クライマックス、踏切の向こうにソーンが・・。見事に期待を裏切られた。なかなかいいラスト。
水上学校の孤軍奮闘と並行して、彼女の恋の雲行きも怪しくなる。静かにスイッチが入って、ゆっくりとラストに向かう展開は見事。焦らされてる感があまりないのは、雄大な自然が成せる技か。なんともすがすがしい。
タイ映画とあって、文化の違いが興味深い。水上学校ってのがスゴイ。先生、分数は知っとこうねとか思いつつ。子供達と寝食共にする生活もいいね。学生時代の合宿所暮らしを思い出した。
本日でいったん関東の上映日ラストと知り、映画館に向かって正解。
高水準なタイ映画
2014年の東京国際映画祭で観てとても好きになった作品。
小規模ながら日本で劇場公開されたのが嬉しい。
僻地の小学校という舞台設定、日記を読んで片想いを募らせる展開が良い。
「フェーンチャン ぼくの恋人」の監督が描いただけあって、郷愁を誘う風景や
愛しい想いの表現が秀逸で画面に引き付けられる。
男性教師・女性教師それぞれが、困難に直面したり失恋したりする様子が丁寧に
描かれていて共感できたり応援したくなる。二人の個性の違いも面白い。
邦題で"すれ違いの"とあるように、いくら想いを募らせてもなかなか二人は出会わない。
それでいて同じ場所で時間だけが違う場面を巧みに組み合わせてまとまりのある
映画になっている。この撮影・編集がとても良く出来ている。明らかに違う時間の
出来事が、まるでワンカットで撮影したかのように見えてしまう所が凄い。
夜景の美しさ等も含め映像表現が意欲的で高水準なのは「レヴェナント 蘇えりし者」と
比べても遜色無い。
教師の役割とは?良い教師とは?という問いかけもある。脚本が良くて、
そういったテーマも物語に上手く溶け込ませている。
ラストシーンも良かった。見終わっての満足感が高く、余韻に浸っていたくなる。
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