とうもろこしの島のレビュー・感想・評価
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畑古屋、栽培…
あれ?ドキュメンタリーだったっけ?
と思うほど
好敵地の中洲に着々と小屋を建て
畑を耕し種を蒔き
小舟を操り母屋から道具を揃え
孫娘の着る物も少しずつ薄着になって
ぐんぐん伸びるとうもろこし
春から秋への季節通りの撮影も着々と進む
そうだ撮影用の畑だろうけど
立派なとうもろこしが収穫の時を迎え
たとたんの豪雨……
急いで収穫した小舟半分のとうもろこしを
辛くも船で運んだがあとは小屋もろとも
あれ?ドキュメンタリーだったっけ…
「みかんの丘」を観てからすぐ観たので
紛争地帯の映画であることは念頭にあった
超ロハスなとうもろこし農家のじいさん。ジョージアから独立を主張し...
超ロハスなとうもろこし農家のじいさん。ジョージアから独立を主張したアブハジアと敵国となったジョージアとの国境の川に中州ができたもんで、そこで両親を失った孫娘とトウモロコシ畑を作る物語。
川の真ん中なんて、所有者はいないだろうし、紛争中の国境にあるといっても多分中立地帯。そんな島で暮らすじいさんと孫娘。時折、自軍や敵軍兵士が見回りに来たり、銃声も響いてくる危険な場所だが、自然体のじいさんは銃は持っているが、どちらにも与しない。少女は学校にも通い、初潮を迎えたり、イケメン兵士に憧れたりする多感なお年頃。
そんなところへ敵軍の兵士が重傷を負い畑の中に倒れていた。手当をして匿い、世話をするが、両軍ともその傷ついた兵士を探しているのに、じいさんは頑なに誰もいないと主張するのだった。
言葉の違うジョージアとアブハジア。グルジア語はドイツ語っぽくて、アブハジアはロシア語っぽい感じ(間違ってたらごめんなさい)。台詞も少ない作品だけど、目で訴えてくるところが多く、じいさんが兵士を匿ってるのがバレそうになるのでハラハラさせられた。目が泳いでますよ!そして少女も恐怖心や憧憬の表情がとても豊か。大自然の中の人間の営みと、紛争への反戦意識も伝わってくる。
こうして卒業間近の少女は大人になっていく。じいさんは少女が大人になるまで見守ってやれるのか。ラストの泥まみれの人形が愛おしくなる・・・
美しく無情に過ぎ行く人生観
美しく怪しく緊張感に満ちた静かな映像が展開する。ゆったりとした絵画的な映像が続くため、退屈になりそうになるところを、あらゆる事柄でもって巧みに緊張感を作り出し、淡々と、いわばミニマル的に続く映像でありながら、最後まで集中力を切らさず凝視していたように思う。
設定も展開も制作の手法も、すべてにおいてどことなく懐かしさを感じさせるものであり、悪くいえば古臭いものであり、良くいうと王道を行く映画だったという印象。
セリフも説明的なところも少ないため、全ての面でぎこちなさを感じるが、そこからにじみ出る違和感というものが、何とも言えないリアリティーを生み出していて、最終的には普遍的な人生観のようなものを感じてしまった。
そう思うと尚更、展開された映像の力強さ・素晴らしさに感服してしまう。
慣わし
川を挟み両岸でジョージアとアブハジアが紛争している中、その川の小さな中洲に小屋を建てて暮らしとうもろこしを育て始める老人と両親を亡くした孫娘の話。
銃声が聞こえたり、両兵士が川をボートで通り過ぎたり中洲に訪れたり、傷ついて畑に倒れていた兵士を匿い療養させたり、戦時下の紛争地帯において例年通りのどかに暮らし、少女は少し大人に近づく。
台詞は少なく終始ゆったりとした流れで、何の為に周りは戦っているのか、と戦争の虚しさを感じる。
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