「過ちを認めて悔い改める(且つ謝る)ことと、謝罪を受け入れて(取り敢えずでも)許すこと」フレンチアルプスで起きたこと hartzaさんの映画レビュー(感想・評価)
過ちを認めて悔い改める(且つ謝る)ことと、謝罪を受け入れて(取り敢えずでも)許すこと
バカンス先での旦那の不甲斐ない且つ利己的な行動で、絵にかいたような幸せな家庭の、というか夫婦のバランスが崩れる話、位の理解で見に行ったので、もうちょっと夫が父親の威厳回復の為に奔走、空回り、葛藤、反省して、なんやかんやで仲直りするコメディだと思ってたのですが、違いましたね。
謝ることと、許すことの葛藤に焦点が当たってると感じました。許すってのは、完全に水に流して、無かったことにってわけじゃなくて、怒りのマイレージには確実に加算され、(しかもポイント10倍デー)貯まってはいくけど、取り敢えず生活に支障がないように、刀はおさめる【許す】ですが。
夫は、質が悪いのか素直になれないのか、単なる見解の相違であると主張し、逃げた事実を丸ごと否定して、
妻は、最初は失望しつつも、認めて謝って欲しかっただけっぽいのに、夫の謎理論に更に怒り失望し、関係を修復しようとするんじゃなく、喧嘩に勝とうと、第三者巻き込んで夫を追い詰めるたり、
はたまた一人になって物思いに耽ったり、知人の人生観を否定することで自分を保とうとしたり、迷走する様は、中々病的。
最期の妻が吹雪のなかで前後不覚になって、旦那が助けて、一件落着みたいなのは、
子供たちを安心させる為の、妻の狂言なのかな?
彼女はよき妻、よき母としての自分を選んで生きていくって決めたんでしょうか…。
最後のバスのエピソードがよくわかんなかったのですが、バス降りた直後は、バス止めさせて、降りた奥さんが正しいみたいなムードから、
道を歩き始めたら、 舗装された道路とはいえ、山の途中で孤立し、 寒いわ、しんどいわで、若干降りたの間違いだったんじゃみたいな感じになってたから、
下山後も平穏無事とは行かない暗示ですかね。
自由奔放な人妻がバスに残った意味もあんまりよくわかんないですが。
とことん話し合って、膿を出すというのは、実際はなかなか難しく、
別れるつもりがないなら、落とし処さがして喧嘩を終わらせないと、余計終息できずに長引いて病んじゃうなーと思いました。
(妻は別れることを検討してたろうけど。)
堂々巡りで同じことが繰り返されるので、途中ちょっと退屈でしたが、色々考えさせられますね。
笑える所もあり。
雪山は綺麗で、子供は最初の糞生意気なところ以外はかわいい。