ヴェラの祈りのレビュー・感想・評価
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父、帰るも観ました。
父、帰るが独特の影と美しさがあったので、久しぶりにこの監督の映画の世界に浸りたいと思い、DVDにて鑑賞。 美しい映像は健在でした。 前作同様セリフが少ない作風で、黙った役者を撮り続ける事が多い。 この人は殺意を抱き始めたのか、言葉を選んでるのか観客に委ねている所が、うまい撮り方だと思った。 昔の映画の匂いがするが2007年の作品。 最後どうなったのか、少し分かりづらかったので、これはもう少し観客寄りでも良かったような気もします。 でも美しい映像と役者の演技は好きです。
切ない
ヴェラはさみしかったのかな。さみしさからか鬱っぽい感じになってた。親子喧嘩した時娘のほうから謝ってたのがなんだか引っかかった。女性って複雑。聖書の言葉がよかった、愛がなければ何の意味もない。
苦しみと癒しに満ちた美しき世界観
監督の名も、作品名も初めてなのだが、DVDのジャケット裏面の田舎家があまりに美しくどこか孤独な佇まいであったことが決定打となり、衝動的に借りた。結果、観て正解だったと思う。 冒頭の長回しもだが、各カットのファーストショットが絵画から切り取られたような美しさ。ただ美しいだけではない。どこか孤独で人心の光と影を映し出している。 また最後のワンカットは冒頭と構図的に対になっていて、哀しみの中にも小さな希望を感じさせる。二人の子ども、特に兄の方は、突然の哀しい出来事を初めはきっと受け止めきれないだろう。しかし、父から聞いた祖父にまつわる人生観が、いずれは彼の哀しみを癒すのではないかという予感を抱かせてくれる。そこを直接描かず、言葉を失う美しき田舎の風景と、時間よりも意識の流れを軸にした構成によって物語る。 2014年に公開されたもう一作「エレナの惑い」と2015年公開の「裁かれるは善人のみ」も観てみたい。
受胎告知のパズルはなかなかずるい演出だなと思った。 どうしても前作...
受胎告知のパズルはなかなかずるい演出だなと思った。 どうしても前作「父帰る」と比べてしまって 悲劇にしてもなにかもっと予想をうらぎるひねりがほしいと思った 映像美は秀逸 役者もよい
どこまで見せる?ズビャギンツェフ....!
何かワンカットワンカット匂わす撮り方をするズビャギンツェフ作品。ストーリーの流れは静かながらも、抱えてるテーマはものすごく重い。某映画より見終わった後ゴーンとする。そのゴーン要素を引き立てるものとして、音楽の効果もあるようだ。また、どこまで追いかけて、見せてくれるの?というカメラワークの軽さにも魅せられる。
分からない産む性の気持ち
どうやらマフィアの関係者らしき夫に、他の男の子供を身籠ったと伝える妻。その結果彼女は命を落とすことになる。 映画はそのタイトルである妻ではなく、その夫の心理を追って展開する。不実な妻への怒り。子供たちへの愛情と責任感。 妻が死んだあとにお腹の子の父親と思われる男のところへ行くと、しかし意外な事実が判明する。そこで夫は大切なものを失ってしまったことと自分が妻の思いを理解していなかったことに気付かされる。 しかし時すでに遅く、彼は遺された二人の子供を男ひとりで育てる決意を固くするのだ。「エレナの惑い」同様に、大人たちのやっていることの影響は子供たちに深く影を落とすことになる。
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