「雰囲気はやはり大事」ジェサベル Minaさんの映画レビュー(感想・評価)
雰囲気はやはり大事
ポスターのデザインが秀逸で、店頭に並んでいたらジャケ買いしてしまいそうだ。本編の不気味さは表現されているが、共にグロテスクな表現も多そうに感じるポスターのようにも思える。しかし恐怖表現はスタンダードであり、嫌悪感を示すようなシーンは描かれておらず、畳みかけて驚かされることもないので、初心者にも向いているかもしれない。
また本編が90分のなかでテンポ良く描かれており、目立った難点は無いように思える。そのなかでも主人公が女性というのは王道だが、その主人公が肉体的ハンデを負っているという設定が最大の利点。というのも、身体的ハンデがあれば自宅でも思うように生活が出来ず、家から逃げ出すこともできない。という逃げたくても逃げることが出来ないという状況を生むためである。これがホラー映画に大切な焦燥感や恐怖感を持続させていると個人的に思っている。正直不気味さは素晴らしいが、ストーリーはそこまで魅力があるわけではないと思う。しかし、本編のなかに人の哀れさや愚かさなどが盛り込まれ、怖いだけではない異なる一面を見せるところが好感を持てる。
かなりの雰囲気重視の作りだが、映像表現などで個性的な部分もあり、手元にソフトを置いておきたい作品だ。
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