劇場公開日 2016年2月20日

  • 予告編を見る

「建物が語る意味の世界」もしも建物が話せたら kthykさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0建物が語る意味の世界

2016年1月20日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:試写会

映画を観ながら学生時代の「建築を愛しなさい」を思い出していた。
イタリアの建築家ジオ・ポンティが書いた名著だ。
建築は決して視覚的遊戯の産物ではない。
それは風景や歴史、ライフスタイルやパフォーマンスとともにある多彩なアートであるということ。
今日の映画はそんな建築の世界を6人の映画監督がそれぞれ一つずつ、20世紀の建築をリポートしている。

特に面白かったのは「オスロ・オペラハウス」。
建築は単にオペラの為の場ではなく、歌手に、ダンサー、観客や劇場支配人、掃除人等々、オペラハウスに関わる様々な人々のパフォーマンスの舞台となっている。
映画を観る我々は街中の対岸から、湾岸に建つオペラハウスを真っ白な雪の中、夜空に輝く夢のような世界として体験する。

そう、映画監督マルグレート・オリンは、建築家スノベッタは「オスロの都市全体」を一つのオペラ劇場(世界劇場)としてデザインした、と語っているのだ。

kthyk