劇場公開日 2016年5月20日

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「このアニメーションの鬼才は実写に不向きなのか…?」ガルム・ウォーズ 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

1.5このアニメーションの鬼才は実写に不向きなのか…?

2018年9月22日
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鑑賞方法:DVD/BD

難しい

寝られる

THE押井映画だった。悪い意味で。

映像や世界観や設定は悪くない。
が、話そのものや純粋に映画としての面白味に全く欠ける。

一応設定は理解出来たが、とにかく飛び交う用語が複雑過ぎる。
別に細かく設けるのは悪い訳ではないが、あまりやり過ぎると観る側はついていけない。
ある惑星と創造主が居て、8つの種族とキャラ名があって…。
それらを理解し、追い付こうと必死になる余り、気が付けば話の方には置いてきぼり。
その典型例。
いや、単に自分に理解能力が無いだけかもしれないが。

押井の映画はどれも難しい。深淵で哲学的で。
でも、『攻殻機動隊』は斬新なビジュアルと共にSFアクションとしてのエンタメ性もあったし、『機動警察パトレイバー2 the Movie』は圧倒的なリアリズムが衝撃的だった。
だけど本作は、この小難しい世界観をただダラダラと説明してるに過ぎないのだ。
ようやく入り込めたか、結局入り込めないまま、映画は終わってしまった。

本来なら話の中身やテーマやキャラの心情などについてどう感じたか述べなければいけないのだろうが、それは無理。だって、全然分かんなかったんだもん。
相当巨費を投じたらしいが、押井や鈴木Pはヒットすると思ってたのだろうか。
結果、あらゆる意味で大コケ。
アニメ映画…いや、アニメ・シリーズにしてじっくり描いた方が、作品の世界観や魅力を見せる事が出来たと思う。

実写を手掛けると途端に才能が鈍ってしまう押井。
彼にとって実写に挑む事は、我々がこの作品を理解出来ないほど難しい事なのか…?

近大