「君になかなか届かない」ピース オブ ケイク 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
君になかなか届かない
ジョージ朝倉の人気コミックを映画化した俳優・田口トモロヲの監督3作目。
いつもの事ながら原作は未読。
鑑賞の最大の理由は、多部ちゃんだから!
多部ちゃんの魅力満載!
恋して、フラれて、はしゃいで、笑って、叫んで、怒って、泣いて、悩んで、酔っ払って。
色んな顔の多部ちゃんが見れる。
何だかよくブちゅなんて言われてるみたいだけど、確かに北川景子やローラみたいな凄い美人じゃないけど、ナチュラルな愛らしさが堪らなくいい。
見ていて、ほっこりほのぼの安心する。
加えて演技力もある。
本作では等身大の女心をリアルに体現。多部ちゃん史上初の濃厚なキスシーンや大胆なラブシーンも披露。
「夜のピクニック」「君に届け」も良かったが、現時点でのキャリア最高作ではなかろうか。
多部ちゃん論はこれぐらいにして、作品の感想を。
恋も生き方も流されるままの志乃。引っ越したアパートの隣人でバイト先の店長にマジ恋をする。
まあ、不器用である。
晴れて店長と結ばれて幸せ~!…なんて言ってるけど、どうせ長続きしないんだろうなぁ、とついつい思ってしまう。
相手がどんな男でもその男に合わせてダラダラ付き合っていると言うか、ただ恋していたい恋愛体質なんだろうなぁ。
意外とモテる…というより、何処か弱そうで守ってあげたくて隙がありそうな所が男心をくすぐる。
幸せな関係を夢見ているかもしれないけど、多分本人もそれが無理だと分かっている。
だからいつも同じ恋愛の繰り返し。
女性の方にとってはあるある共感以上に、居心地悪い気まずい拒絶反応の方が強い気がする。
誰も他人の生々しい恋愛なんか見たくないし。
ダメ女子の周りに群がるのはダメ男子。
男目線でも見ても、ヒゲ店はだらしない。志乃よりよっぽどだらしない。
嘘ついて元カノに会いに行ったり、咎められてもヘラヘラしてたり。
よく風が吹いたもんだ(^^;
綾野剛、松坂桃李、菅田将暉、柄本佑…面白くなりそうな実力派揃い。
綾野剛のダメ男っぷりもさることながら、オネエ友の松坂桃李がハマってる。素?(笑)
出番は少しだが、木村文乃ちゃんがまたまたいい女っぷりを魅せる。
ヒゲ店の元カノ、光宗薫がピリリとスパイス。
どうしてこんな相手にゾッコンになるのか、要らん事を言ったり、こっそり携帯見るなどやっちゃったらおしまいなのは分かってるのに。
綺麗事じゃない恋愛。
ラスト、一人前の仕事を見つけてちょっといい女になった志乃。
ところがある日…。
また前と同じになるよ。
喧嘩して、モヤモヤして、ズルズルダラダラ、くすぶるような関係。
大ッキライ!
でも大スキ。
これがアタシの生きる道。