「悪くは無いが、演出がちょっと。でも強烈なメッセージ。」世界から猫が消えたなら たくっちさんの映画レビュー(感想・評価)
悪くは無いが、演出がちょっと。でも強烈なメッセージ。
原作は未読です。
映画館での予告は観ました。もう、腐るほど。
バッサリ言ってしまうと
「予告ほどでは無かったなぁ」と。
予告が良過ぎただけに、ああいう予告を使ってしまうと
公開後のほうが感想が悪くなるなぁ、と、そういう感じです。
いや鑑賞中、普通に私は泣いてましたけどね。
原田美枝子さんは『ぼくたちの家族』でも拝見しましたが
いい意味であざとい。勘弁してください。
先に悪い感想を書いてしまおう。
入り込めなかった点は二つ。
一つめ。
一人二役の佐藤健さんでしたが、僕と悪魔があまりに変わらないので
最初に登場した際に、悪魔に抱いた
「何だこいつ、チャラくて気持ち悪くて嫌な奴だ…」という感想を
僕役にもひきずってしまったこと。
特に「チャラい」という印象は、彼女とのエピソードもあって
最後のほうまであまり拭いきれず。
二つめ。(特にこっち)
世界線が暗転なしでひっきりなしに移動するので
分かってるとはいえ頭が付いて行かない。
そのため、没入感が薄れます。
トムさんのエピソードは良い意味で先が読めてしまいました。
まぁやっぱりそうなるんだね、と。
それくらいかな?
はい。
良かったところ。
消えていいものなんて、なにひとつない。
このメッセージが分かっただけでも素晴らしい事かと自分は思う。
(これは映画オリジナルの演出のようですが)
一つモノが消えていくことで、そのモノを縁にした人との繋がりや思い出。
それが全て無に帰っていくことの恐ろしさ。
また、ほぼ終盤にはなっていくのですが、海岸線での家族のくだり。
そこで『僕』はある結論に至るのですが、その辺りからの流れは良いですね。
分かっていても、『僕』の家族を中心に展開するエピソードには弱かったです。
私も何かこの世で、自分が生きた証を残せられたらいいなって。
そう思いながら、生きていきたいと思います。