「あのオチ、誰も止めなかったの?」攻殻機動隊 新劇場版 たまねぎ なきおさんの映画レビュー(感想・評価)
あのオチ、誰も止めなかったの?
アライズシリーズについてですが、これはパラレル?
とりあえず攻穀シリーズの映像作品の設定無視や矛盾は気にしないようにします。
その上でアライズシリーズは2流としか言えない出来でした。
おそらく作画や演出、サブの脚本家は旧作のファンか製作スタッフが多いんだろうと思いますが、メイン脚本家は攻殻シリーズをよく知らない人なんじゃないのか(笑)
劇場版のあのオチは無理でしょう、、、
あれだけの管理社会と政治や国益派閥の軋轢を描いておきながら、軍属の上位階級の人間が電脳無しのリモートでしたーっ、とか(笑)
いやいや、入隊時点で即バレるでしょ。
百歩ゆずっても検死の段階で即判明するし。
多分、何人かのサブ脚本家はシリーズの面白さを理解していて
プロジェクト2501が生まれるまでのバックボーンを描きたかった人がいたり
笑い男シリーズような電脳化による身心の障害や問題を描きたかった人がいたり
2ndのような外交や紛争の裏事情的なシリアス物を描きたかった人がいたんでしょう。
そんな要素が全部積まってるもんだから、そのどれもが中途半端な説得力を維持したままにストーリーだけ進んでいきます。
アライズシリーズのストーリーの進み方も非常に不快で中身の無いアメリカドラマが良くやる手法ですが
ショッキングな事件の謎を追う→黒幕に迫る→黒幕は死ぬ→さらなる謎をもたらす黒幕が現れる→黒幕に追る→黒幕は死ぬ→さらなる黒幕が~(1話から劇場版までがこれの繰り返し)
多すぎるサブ脚本家
シリーズに対して理解不足なメイン脚本家
全くイケてない音楽
設定的に無理な大オチ
アメリカドラマ的なストーリー展開
おそらく見返すことは二度と無いです。
唯一、素晴らしいと思った点は
技術や利権が固まりきっていない世代の義体は規格が統一されておらず、誤った選択をした人達はアップグレードもメンテナンスも受けられずに生きながら朽ち果てて行くしかない、というくだり。
電脳化や義体化が確立される前の時代の話としても最適な題材ですし
色んな要素をぶちこむより、シリーズ通してその一点に絞って掘り下げるべきだったと思いますね。
非常に残念なシリーズでした。