「世界中から人が消える…。超常現象?最後の審判? いえいえ、指パッチンでしょう!」レフト・ビハインド 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
世界中から人が消える…。超常現象?最後の審判? いえいえ、指パッチンでしょう!
原作は大ベストセラー小説シリーズらしいが、
皆様、お待ちかね! ニコケイB級ムービー2014年の作品。
内容から往年の航空パニックに超常現象スリラーを合わせた“真っ当な”B級ムービーかと思ったら…、オー・マイ・ゴッド!
本題に入るまでが退屈。
ドヤ顔パイロットのニコケイは美人スッチーとイチャイチャ。
胸の谷間のチラリズムがセクシーなニコケイの娘は偶然出会った有名イケメン記者といい感じ。
が、信仰心深い母とは家族関係や価値観の違いでぎくしゃく。
ステレオタイプの乗客を乗せて、機は離陸。
やっとこさ怪現象とも言える異常事態が起こる。
突如、機内から…いや、世界中で、人々が消える。
一体、何が起きたのか…?
パイロットが消えた対空機と微かに接触し燃料が漏れ始めたニコケイ機。
地上では、娘が消えた弟の行方を探す…。
話自体はそう悪くないように思えるのだが、何ともな印象にしているのが宗教観。
と言うのも本作、新約聖書の“ヨハネの黙示録”で描かれる最後の審判が、もし現実に起こったら?…というのがそもそもの題材らしいが、それが分からないと何のこっちゃ…。
執拗に飛び交う神の言葉や宗教観。クド過ぎてうんざり…。
それ以前に、一本の作品としてもビミョー。
登場人物の言動もイミフ、展開に面白味やスリルも盛り上がらない。
難点やツッコミ所も多々。イケメン記者は簡単に操縦室に出入りするし、機内にヤクや銃の持ち込み自由。
テロリストと疑われるアラブ系、卑しい小人、ヒステリックな黒人や女性、冷静沈着なニコケイら白人男性…人種や人物像に差別や偏見が見受けられた。
絶望し、飛び降り自殺しようとした娘のシーンに妙な歌が掛かった時、初めて気付いた。これは、コメディなんだ。
そして、終わりの始まり…というよくあるチープな台詞による終わり方。
ニコケイにまたまた駄作が一本…。
割り切ったB級航空パニック×『X-ファイル』的超常現象スリラーにした方が良かったかもしれない。
世界中から人々が消える…。
原因は超常現象でも最後の審判でもなく、あの宇宙最強魔人の指パッチンでしょう!