サンバのレビュー・感想・評価
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サンバ:ずっと隠れて暮らせと?ちゃんと助けてくれよ
【サンバ:おすすめポイント】
1.こんな恋愛切なすぎるけど、すごくピュアでいいなぁ!!!
2.アリス役シャルロット・ゲンズブールがだんだん綺麗になっていく!!
3.ウィルソン役タハール・ラヒムが友達にいたらどんなに楽しいだろう!
【サンバ:名言名セリフ】
1.サンバ役オマール・シーの名言名セリフ
→「ずっと隠れて暮らせと? ちゃんと助けてくれよ」
→「大事なことがある」
→「君の居場所はここじゃないだろ」
2.アリス役シャルロット・ゲンズブールの名言名セリフ
→「助けて欲しいのはコッチ イカれる寸前よ」
→「キレて上司を携帯でぶん殴ったの」
→「あなたと居ると心が楽になる」
3.ウィルソン役タハール・ラヒムの名言名セリフ
→「靴を投げろ」
アフリカ人の夫と複雑な気持ちで観ました
他の多くの方も言っている「最強の二人」を期待して観たら、ちょっと期待外れになるけど、この「サンバ」単体で観れば、とてもバランスのいい映画だと思います。
今ヨーロッパが抱える移民問題を、過大するわけでもなく、美化するわけでもなく。。。
ドキュメントではない、これは映画。
そのさじ加減がちょうどいいと思う。
ただ、私の夫(アフリカ人)は、実際に今現在フランスはじめヨーロッパにたくさんの移民として渡った友人がいるので、なんともシリアスな気持ちで観ていました。
あきらかに私とは違う観かたをしていたかも。
サンバが、イミグレーションで知り合った友だちの彼女と一夜限りの関係を持ってしまった時は「あちゃー、何ヤッテンダヨ!サンバ!」と思ったけど、まぁこれが現実かも。。。
移民問題への踏み込みが浅い
ストーリー
セネガルから不法移民としてパリに渡って来たサンバは、シェフを目指してレストランで10年もの間皿洗いをしてきた。パリで叔父と暮らしている。しかし、ある日不法移民狩りにあって出入国管理局に拘束され移民審査所に送られる。そこで移民審査を待つ間、弁護士のアリスに出会う。アリスは大きなファームで責任の重い仕事を請け負い、一日12時間も仕事を任されて完全に燃え尽き症候群状態となって、休職中だった。ボランテイアで移民審査事務所の仕事を手伝っていたのは、友達がやっているから、という単純な理由だった。しかしアリスはサンバの率直な姿に惹かれて、サンバの弁護について、難民として合法的にフランスに滞在できるよう手を尽くす。しかし審査はうまくいかない。結果は滞在許可が下りず、彼はセネガルに即刻帰国しなければならないと命令される。
サンバは再び警察や入管の目を盗んで、見つからないように隠れて仕事を続けるしか生きる道はない。一方、アリスはサンバを助けることが、仕事への自信を失い生きる希望をなくしていた自分自身の再生につながっていることに気がつく。やがて、アリスはサンバへの恋心をバネにして、職場復帰する決意をする。というお話。
もう若くない女性弁護士が、生きる力に満ちた若い不法移民の青年の心惹かれ、閉ざしていた心を徐々に開き、人間らしさを取り戻していくプロセスを描いた映画だ。オマール シーの躍動感いっぱいの若々しく美しい肢体、包容力に満ち溢れた物腰、目の前に座られたら今まで自分が犯してきた罪を何もかもスラスラを話してしまいたくなるような深い瞳、、、この人は、いまフランスで一番輝いている役者ではないだろうか。
一方、終始やぼったい男物の古着みたいな服ばかり身に着けて、知的だが全然冴えない女性弁護士を、シャルロット ゲインズブールが好演している。この人、父親(セルジュ ゲインズブール)にも、母親(ジェーン パーキン)にも似ていなくて、とても地味な人だ。繊細で知性的だが、明るくない。彼女が、お陽様の様に明るいオマール シーに出合い、彼の裸を偶然目にして、思わずごくりと唾を飲み込むシーンは笑えるけど、とてもよくわかる。
シャルロット ゲインズブールは、60年70年代のフランスポップミュージックを代表する歌手セルジュ ゲインズブールと、イギリス人女優ジェーン パーキンとの間に生まれた娘だ。セルジュは女殺し、当時のセックスシンボルで、ジュリエット グレコ、フランスギャル、ブリジット バルドーなど美女を軒並み愛人にして、この世を駆け抜けて去って行った。このプレイボーイの短い生涯で、唯一妻の座についたジェーン パーキンは、ストレートの長髪に、でかいバッグを持って、ショッキングなショートショートスカートで走り回る元気な姿が当時のファッションの先端を走っていた。カルチェ ラタン、パリの道路封鎖、ベトナム反戦といった当時の気風と、若者の反骨姿勢を彼女ほど、ストレートに行動やファッションで見せてくれた女優は他にいない。娘のシャルロット ゲインズブールはその両親のどちらにも似ていないが、独特の存在感のある女優だ。
監督の二人は、彼らの初めての作品「最強のふたり」で、デビューした。このとき主役に抜擢したオマール シーを余程気に入ったらしく、今回の映画は彼のために作られた映画のように思える。「最強のふたり」で彼は、半身麻痺の車椅子の人をケアする青年役を演じた。素晴らしいヒューマンストーリーで、実話なので、原作も脚本もしっかりしていて、完成度の高い映画だった。この映画の中で、車いすの男を浜辺にある美しいレストランに連れていき、会いたいが会う勇気がなかった女性を呼び寄せて、自分はアバヨと姿を消す気の利いた青年は、今回の映画では疲れた女性弁護士の肩を揉む。実に自然体で役を演じている。気の利いたフランス映画の小作品。
それにしても、アフリカからの移民で対策に汲々としているフランスの現状をよく映し出している。毎日100人単位で戦火を逃れてイタリアに流れ着く人々、命の危険を重々承知の上ボートで漂流する人々、別天地を求めてメキシコ国境を渡ってアメリカまで走破する人々、インドネシアからオーストラリアに向かって意図的に転覆寸前のボートで渡ってくる中東からの移民、、、世界中が移民で溢れかえっている。100人移民がいれば、100とうりの悲しい残酷な話を聞くことができる。
オーストラリアは、ベトナム戦争によって戦火から逃れて来たベトナム人ボートピープルを救助するまで白豪主義により、アジアからの移民を拒否して成り立ってきた。シドニーから車で3時間、ヤングの町は、いまはブドウやサクランボなどの耕作地で豊かな自然に恵まれた地域だが、1860年代には金が採掘された。14600キロの金が取れたという。にわかにゴールドラッシュがおきて、各地から金の採掘夫が集まって来た。時に中国からも数千人の採掘夫が流れ込み、彼らは安い賃金で働き、地元の採掘夫の仕事を奪ってしまった。そこで1861年から数か月にわたって武装した3000人の鉱夫が中国人を金を掘るナタやシャベルで殺しまくった歴史がある。クリスチャンで殺戮に反対していた夫婦が1276人の中国人を数か月間かくまって命を守ったという記録があるから、実際殺された中国人の被害者数は、大変な数だろう。
世界史は移民の歴史でもある。すべての国で移民が認められれば、国境は意味を持たなくなる。
国というものは難民、移民を持たないことを、前提に作られている。人は国境という囲いの中で、生きて税金を納め、税金は国民の経済活動を支え、教育、福祉、外交、医療などを保障する。越境は違法行為だ。しかし、それでも人々は国境を超える。国にとっての移民をどう捉えるか、という極めて政治的で今日的な課題を、この映画は扱っているが踏み込みが浅い。違法移民を認めるのか、認めないのか。国境を越えて生きるのか、移民を認めず排除して国境は守るものとして考えるのか。本当は二つの一つだ。中間はない。移民を受け入れるからには、自分の持っているものを分け与えなければならない。仕事を失うかもしれないし、税金の負担が大きくなるかもしれない。それでも移民という手段を取らなければならなかった人々、、、戦火を逃れ、暴力から逃げ、貧しさから救いを求めてやってきた人々を受けいるかどうかは、その人それぞれのヒューマニテイーに関わってくる。
この映画では移民の取り扱い方に、確固たる思想がないので、単なる年増女の小さな恋を描いた小さな作品になってしまっている。残念だ。
ポスター詐欺
ポスターや予告編の明るく陽気な映画では一切ないです。暗めで、ザ・フランス映画って感じ。その違いが私には逆にハマりすごく面白かったです!
シャルロットゲンズブール相変わらずお綺麗で。。。♡結構ラブストーリー色が強かった気がします。感情的なシーンもかなり多い。
ラストのブラックさが良いです、これが現実なんですね。でも私はハッピーエンドと捉えています。
にしても映画本編と広告のイメージがここまで違っていいんですかね??笑
悩ましい
この世の中の悩ましい部分を、辛くても明るく前向きに考える映画なのかも。
ハッピーエンドとも言いにくい、複雑な気分になった映画。フランス映画らしいと言えばいいのかなぁ?
オマール・シーはやっぱり良いなぁ〜!
辛くても明るい彼の笑顔はいい!
展開に無理がある
予告を観て、不遇な二人が心通わせていくハッピーエンドなハートフルなお話かと思いきや…
サンバの行動にもやもや、コンゴ出身の友達(名前忘れた)にもやもや、
サンバに死亡フラグ立った時には思わず「は!?」って喉まで出ました。
映画館なので危なかった。
サンバは最初結婚すればいい的な感じでアリスに近づいたのかと思ったけど、コンゴの友達の婚約者?とヤっちゃったり、それをアリスに懺悔したり、意味わからん。
真面目で実直なサンバが救われない話、の割りにはサンバもかなりわがまま。
前半は良かったけれど、後半のちぐはぐ感で、なんか観て損した気分になりました。
移民の現実。
「最強のふたり」メンバーが贈るコメディ、となっているが
かなり現実に即した描かれ方なので、辛辣で切ない。
移民の現実というとどこの国でもこうなんだろうなーと
思わせる部分が多い。ビザのうっかり失効で強制国外退去。
どんなに苦しく貧しくても笑顔を絶やさない主人公のサンバと、
やがて仲良くなるブラジル人を装うアルジェリア人ウィルソン。
かなり辛い現状でもカラッとした明るさをこの二人が醸し出す。
「最強の二人」のイメージが強いと、アレ?と思うかも知れない。
悪い描かれ方ではないが、それほど感動するという話ではない。
さらにはエッ?と思わせるラストの展開にも賛否が分かれそう。
サンバとアリスの恋愛面を中心(だと私は思った)に描きながら、
移民問題・金銭問題・精神問題・差別問題にググッと迫っている。
この題材を甘甘で終わらせないところが却って清々しいけれど、
面白さではどう判断されるかなぁーというストーリー。
O・シーは相変らず爽やかだけど、彼を差し置いて美味しい役を
かっさらっている相棒のT・ラヒム。こういうちゃらんぽらんな
奴って絶対いるんだけど!?でもどこか憎めない胡散臭い役を
まぁ楽しそうに最後まで演じている(コイツが一番イイ思いしてる)
サンバなんていいタイトルを付けたなーと思うけれど、
(サンバは踊らないが)B・マーリーの曲で歌い踊るシーンがある。
私的にここがいちばん感動した。
パリに住めたからといって幸せが満ち溢れているわけじゃない。
移民は真面目に働きそのほとんどを国の家族に送金している。
「いつか湖のほとりに全部揃った家を建てるんだ!」というのは、
別に移民でなくとも、親孝行なアイドルが励みにしそうな目標だ。
国が違えばこんな風に、子供に頼って暮らさざるを得ない一家に
なるんだ。と思うと、改めて政府の指針に文句つけることなく^^;
日々の節約なり預貯金なり老後設計なりをしっかり立てなくては。
(寝とられた知人が見せたもの。で、後の展開が見えちゃったよ)
価値観の違いを感じた
「最強のふたり」が大好きなので鑑賞。
表現の世界において価値観の違いって最大の壁なのかしらね、と思いました。
以下、ネタバレです。
ラストに物凄ーくモヤモヤしました。
友人のカップルが可哀想過ぎて、そればっか考えちゃって。
エンドロールの音楽がステキでね、オマール・シーの笑顔もステキでね、一瞬ごまかされそうになったんですけどね、やっぱ駄目です。
だって彼氏は特に、悪いこと何もしてないじゃあないですか。
ただ単に真面目に働いてる移民ってだけじゃあないですか
彼女は2年待ってて本当に寂しくて辛かったんでしょうし、
サンバはサンバで友人を裏切ってしまう人間臭さ含めてサンバなんでしょうし、
あの悲劇を通して移民の方々が直面している、そうまでしなければ存在を認めてもらえない、現実の厳しさを伝えたかったんだろうな、というのもなんとなく解るんですけどね。。。
ずっと結婚したくって、2年も檻の中閉じ込められてやっと出てきて、さあやっとこれからだ!
っていう時に彼女が。。。
そしてその原因の友人ともめた挙句あんなんなって。。。
本当に不憫で不憫で。
2年間待ってた彼女も可哀想すぎて。
あの後何が起きたのかは語られませんが、色々あったけど笑顔なサンバとアリスを思い出すとうーんこの価値観は私には無いなあ、と思うし、ちょっと怖くすらあるという。
平和な日本で、存在を保証された日本人として、ノホホンと生きている私にもフランスの移民問題の深刻さは、一部分でも確実に伝わったんですけど、あとは友人カップルが可哀想過ぎる鬱映画。。。と感じてしまいました。
可哀想過ぎるのでもっと点数低ても良いのですが、オマール・シーが早口でオタオタしてるのが見られて嬉しかったのと、
何はともあれ、ヒット作の後に再び社会問題を取り上げる監督達の姿勢はとても立派だと思ったのでこの点数にしました。
泣き所はそんなに無い!
オマールシーは相変わらず素敵ですね!
友達との掛け合いは笑えます!
泣き所はそんなに無かったです!
フランスの現実の厳しさを見せつけられました。
期待し過ぎて残念
十年間仕事だけで女性と付き合いのなかった主人公が友人の彼女をあんなに上手に熱心に誘うかね。後で反省しているのとちぐはぐで、オマール・シーに皆が期待する楽天的なキャラクターと、真面目なはずの主人公と、一致しない。
後味の悪さは、死んだ友人に成り代わって残る結末 なにも正義を求めるわけではないし、現実なのであろうが、気持ち良くない。
果たしてそれでいいのか⁈
まずは、主演二人の演技はさすが。アリス役の女優さんは、ちょっと年齢いってたけど。明るく陽気なサンバが「人助け」っていうよりは、そのときの気分で動いたら(もしくは止む無く)、そうなったみたいな感じ。
外国人不法就労者を取り巻く社会問題の重さというテーマはわかるけど、サンバの自業自得感は拭えないだけにイマイチ…。
少なくとも、終盤の件は受け入れられないな。最後のアリスの台詞で、作品全体が救われてる。
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