デビルズ・ノットのレビュー・感想・評価
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無垢で悪意のない住民の恐怖
少年3人が惨殺された事件。若者達が逮捕されても犯人適性に無理があり・・・主人公の探偵は事件の謎を追う・・・と言うストーリー。
実は過去鑑賞したことを忘れて2回目の鑑賞をしたのですが、1回目鑑賞した時よりより高い評価を付けた作品です。2度、3度鑑賞してより良さを感じることが出来る、そんな作品なのかもしれません。
アメリカでは有名な殺人事件の顛末のようで、wikiで確認する限り、この映画はかなり事実に忠実に描いているようです。
古い気質が残るアメリカの片田舎。惨たらしい殺人事件の発生でヒステリックになる住民。悪魔崇拝を行う異端者への嫌悪と不信。そして不公平な裁判の経過と結果が良く描かれています。
残念ながら真犯人はわからず終い。もしかしたら、逮捕された彼らが本当の犯人かもしれない状態。サスペンスとして、とてもカタルシスを得られるエンディングにはなりませんでしたが、それでも一見の価値はある、そんな作品です。
ジェームズ・ハムリックがよかった。
※ブクログからの転載です
アメリカで実際に起こった未解決事件を題材にした映画。
犠牲となった児童3人の殺害方法から、警察は悪魔崇拝に興味を示していたダミアンら3人の少年を逮捕するが、その根拠となった被害者の友だちの子の証言や、知的障害を持つ共犯者の自白がどうにも怪しい。初めから犯人ありきで、誘導的または脅迫的に引き出されたものらしく思える。いかにも怪しい人物は他にもいるのに、警察の捜査は杜撰で、状況証拠のみで三人の被告少年に重い刑罰が科せられる。
実話ベースなだけに、真相が分からないところがもどかしいが、その「分からなさ」こそがこの映画の核なのだろう。
あの法廷で行われていたのは、ある意味では森の中で行われていたのよりもずっと残酷な生贄の儀式だったのだと思う。
これはアメリカの話だが、日本でも、十分起こりうることだ。日本のオタクだって、ゲームやアニメが好きなだけで犯罪者予備軍みたいに言われているもんなぁ。
全体的にはいい映画だったけど、欲を言えば、森のおどろおどろしい雰囲気と、法廷がもう少しリンクしていたらもっとよかったかなという気がする。法廷シーンは少しカラッとしすぎていて、関係者たちの暗部にまではあまり立ち入っていかなかった感じだった。
コリン・ファース演じるロン・ラックスはシブ格好良かった。イングリッシュマン・イン・アーカンソーとでもいうべき、周囲から浮いているような雰囲気も、計算済みでのキャスティングだろう。ただ彼の離婚協議とか最初のオークションとかは、果たして必要だったのかな?
リース・ウィザースプーンはいかにも普通の主婦らしくてとてもよかった。おばちゃん体型っぽかったけど、あれは野暮ったい衣装でそう見せているだけかな? どうなんだろう。
デイン・デハーンは完全なる客寄せパンダだと思った。さすがに華はあるけど、出番は少ないし、本筋にもさほど関わってこないので、デハーン目当てな人は注意。
ダミアン役の俳優さん(ジェームズ・ハムリックという新人さんだそうだ)の、すげーイケメンなのにふてぶてしくてちょいキモい感じが絶妙だった。本来、デハーンの位置に彼の名前が来るべきだと思う。
この映画の撮影当時、彼はミュージカル演劇専攻の現役大学生で、その友人らしい人がファンのブログで言うには、喫煙シーンは喉への影響を考慮してニコチンなしのタバコを使用したと聞いた。youtubeには、いくつか彼の歌が聞ける動画がアップされている。
ミュージカルのほうに行っちゃうのかもしれないけど、映画にもまた出てほしいな。
消化不良…
アメリカ、アーカンソー州で実際に起こった事件を基にしている。
事件自体は未だ未解決のままであり、そのせいか本映画も核心に迫っているようで何も分からず、真相は闇のまま…
という何とも言えない終わり方をしていく。
映画を通して伝えたかったことは冤罪は良くないですよ。人を人格、服装、信仰で判断してはいけませんよ。
ということかと思われるので、それはハッキリ伝わりました。
ただそれだけの映画。
未解決事件を映画化する事の難しさを知る事ができたというこで、後学にはなったかも。
もういっその事「ゴーンガール」のようにぶっ飛んだ人間設定にして苦笑いで終わってしまえば良かったのに。
先日TVのバラエティでも取り上げられていて、実は殺された少年達の父親達が大きく関与しているかも、なんてまとめ方してたが(この映画でもそういう場面があるが)、ホント何にも反省してないなって思ったり。
「もう何もわからないの」
そんな元も子もない言葉でぶん投げないでくださいよ。
ハリー・オズボーン
実話の未解決冤罪(の可能性が高い)事件をもとにした映画で、だからこそ重く辛い映画。
物語の起伏はあまりなく、ひたすら事件の詳細に迫る描写と裁判のシーンが続くのでともすれば退屈になりかねないが、俳優陣の演技力が見事にそれを補っていた。ラストは文字で説明しまくりで、むしろ映画本編より分かりやすかったが、それは実話なので仕方のないところ(笑)
悪魔崇拝や証拠の未提出や身近に潜んでいるかもしれない真犯人などなど、エンターテイメント色を濃くしようと思えば広げられる要素はたくさんあったが、真摯に事件と向き合っている姿勢が素晴らしかった。
デイン・デハーンがあんなに出番が少ないとは思わなかったし、これだけの豪華俳優陣がこういう映画を時間をかけて作るところがやはり日本映画との大きな差だなと少し寂しくなった。
未解決事件だもの
この実話を元にした映画系が好きなのと豪華キャストというので公開を待ち望み初日に早速見に行った。
まぁ確かにドキュメンタリー的で結局犯人も特定出来ないのは仕方のないことではある、というのが見終わった後の正直な感想です。
製作側の主観というか、犯人はもしやこの人物では、と意味ありげな作り方に問題はなかったのか…
悪魔はどこへいった。
すでに事件から20年以上が経過している。
こんな猟奇的な事件なのに、私は知らなかったので、
観る前にある程度勉強しておこうと事件を探した。
「ウエスト・メンフィス3」で検索をすると大体読めるが、
知れば知るほど恐ろしい冤罪事件の可能性が出てくる。
判決が出て有罪となった少年たちは18年に渡り服役したが、
未だ事件は未解決の謎が多く、真犯人は他にいるようだ。
そういったことを含めて鑑賞すると、これが実際の事件と
いう重みがずっしりと感じられ、A・エゴヤンらしい静かな
映像と語り口の中にゾッとする恐ろしさが見えてくる。
それにしても…。なんで子供たちはあんな目に遭わなければ
ならなかったのか。悪魔の巣窟なんていう名前のついた森奥、
確かに子供は探検の名目でそんな所へ行きたくなるものだが
異常犯罪に巻き込まれる事は当時からあったのだろうか。
多くの目撃者がありながら、警察のとった行動は酷いの一言。
初動捜査が誤っていなければ、もっと早い段階で真犯人が
判明した確率の方が高い。やがて、少年3人が逮捕され裁判に
かけられるのだが、そこからさらに偽証やら証拠紛失やら、
あり得ない実態がどんどん浮き彫りになり、逮捕そのものが
怪しいという結果になる。が、結局有罪判決が出てしまう。
もう、すべてに恐ろしいとしかいいようのない展開である。
被害子供の母親・パムは逮捕に疑問を感じるが、夫である
子供の継父がなぜか調査員(コリン)との接触を禁じるという…
犯人以外に住人全てが何かを抱えていたり、嘘をついていると
いうような行動を見せるため、こちら側も真相が分からない。
一番怪しいはずのレストランに入ってきた「血まみれの黒人」が、
どうしてその後見つからないのか?そんなことってあるのか?
誰かが真実を隠蔽し、証拠をでっちあげているとしか思えない。
逮捕された少年3人は司法取引により釈放されている。
が、未だに元重罪犯としての扱いになっているんだそうだ。
彼らのドキュメンタリー映像を観て驚いたが、ソックリである。
やけに太ったR・ウィザースプーンに驚いたが、役作りだろうと
思われる。その他の人々も髪型までソックリである(名は実名)。
未だ解決しない事件の謎を含め、深く脳裏に刻まれてしまった。
(人目の届かない場所で事件は起こる。何か対策はないものか)
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