劇場公開日 2014年9月27日

「小さなスケールで描く、大きなテーマ。」風邪(ふうじゃ) 映画コーディネーター・門倉カドさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5小さなスケールで描く、大きなテーマ。

2014年10月2日
PCから投稿

悲しい

怖い

難しい

【賛否両論チェック】
賛:伏線の回収が見事。欲望に取りつかれた人間達の行きつく悲劇が、赤裸々に描かれる。
否:テーマは大きいが、出てくる人間はごく少数なので、ツッコミどころは満載。気にしすぎると、話の内容に集中出来ない。グロシーンもあり。

 最初は訳が分からないシーンが続きますが、後半になるにつれ、全てが見事に1つにつながっていきます。基本的には小さな世界観の人間模様なんですが、それらを通して描かれるのは、「万能ワクチンを取り巻く人間の欲望」という非常に大きなテーマです。そのギャップにツッコミどころが多々出てくることは事実ですが、私欲に走る人間の愚かさと、その結果訪れる悲劇が如実に描き出されていきます。
 グロシーンも少しありますが、ちょっと変化球なサスペンスを観たい方に、是非オススメです。

映画コーディネーター・門倉カド