白夜のタンゴのレビュー・感想・評価
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フィンランド、タンゴ探訪記
フィンランドの小津安二郎のような巨匠アキ・カウリスマキがタンゴの発祥はフィンランドと振ったことでルーツ探しの旅が始まる。探訪者はアルゼンチンタンゴの歌手、ギター、バンドネオンの演奏家の3人である。個人的には「リベルタンゴ」や「真珠採りのタンゴ」が好きです、情熱的なアルゼンチンタンゴやヨーロッパの洗練されたコンチネンタルタンゴしか思い当らずフィンランドのタンゴは初耳でした。
フィンランド人の演奏家は自国のタンゴをロシアのロマンスとドイツのマーチが合体したものだと言っているのが興味深い。確かにアルゼンチンとは踊り方が全く異なる、18世紀の終わりにイベリア半島でTANGOと書かれた譜面があったことから舞曲として広くヨーロッパ各地に根付いていたのだろう。
今日タンゴといえばバンドネオンだが蛇腹楽器は1829年ウィーンのシリル・デミアンがアコーディオンをつくり、ドイツのハインリヒ・バンドが1847年に改良型アコーディオン(バンドが作ったからバンドネオン)を考案したのが始まりである。アルゼンチンタンゴに加わったのは19世紀末期であるから発祥がブエノスアイリスのフォルクローレとしてもヨーロッパの影響なしに成熟したわけではないだろう。
実は映画を撮っている方もきっかけには使ったが発祥の白黒などどうでもよいと言っているようだ、それよりも南端の喧噪の港町と北端の森と湖の妖精の国にタンゴが根付いていることの素晴らしさが見どころ、聴きどころであろう。
個人的には映像よりも録音の素晴らしさに驚いた、演奏も良いのだが楽器の響きや音色の良さが素晴らしい、映画のラストでブームマンが写っていたがブームマイクで拾っていたとは、プロフェッショナルの美技ですね。
タイトルもかっこいいです
アルゼンチンのタンゴは色気ムンムンで、ナンパな感じ。
フィンランドのタンゴは自分の中のタンゴのイメージそのもの!
質実剛健でかっこよかった。
『黒猫のタンゴ』や『だんご3兄弟』は、どちらかというとフィンランドのタンゴですね。
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