「あいよ。」映画 深夜食堂 ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
あいよ。
クリックして本文を読む
最近ブームの深夜胃袋テロ番組の魁となった人情ドラマの映画版。
シリーズ当初から見ている身には、エ?これを映画にするの?と
訝しがることしきりだったが、ドラマ版と全く変わらない出来だ。
何ともいえぬ風情を醸すテーマソング「おもひで」でグッと誘われ、
のれんをくぐるとそこは深夜営業の食堂「めしや」に繋がる。小林が
演じるマスターの「いらっしゃい」「あいよ」の掛け声に癒されては、
出てくる料理(ちなみに店のメニューには豚汁定食と酒しかない)の
温もりと味わいにじんわりくる。グルメよりも人情ドラマの方に
重きを置いた作りなので、思ったほど料理数は出てこない。さらに
ドラマが佳境に入ると全く料理が姿を見せなくなるのも寂しいが、
人間の一日には、どこかでお腹を満たして幸福感を得る瞬間があり、
その一瞬を切り取ったお客の笑顔が堪らなく愛おしく描かれている。
ドラマ3本を繋げた感じの本作、多部演じるみちるのエピソードが
印象に残る。知られざるマスターの私生活!?の一部が垣間見れる。
口数が少なく気の利いたアドバイスをするわけでもない。けど、
傍で話を聞いてくれる、料理を食べさせてくれる、寝床をくれる、と
まさに至れり尽くせりのおもてなし。お客と絶妙な距離を保ちながら
接客を続けるマスター小林の人柄が滲み出ているような感じがして、
とにかく心地良い。昼間ランチ営業をしたって儲かりそうなものだが、
やっぱり愚痴や四方山話は真夜中が似合う。あんなめしやがあるなら
私もよく通う客の1人になって、マスターの「あいよ」を聞いてみたい。
(孤独のグルメ^^;もゲスト出演。タコさんウインナー私も食べたいなぁ)
コメントする