おみおくりの作法のレビュー・感想・評価
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ハッピーじゃないけどハッピーに思える
主人公の実直さ故に淡々に進むと思いきや、それが時にこっけいな顔を覗...
主人公の実直さ故に淡々に進むと思いきや、それが時にこっけいな顔を覗かせ、余計に笑わせる。
仕事の中で、人と触れ合ううちに頑なに生きてきていた心がほどかれてゆく…。
なのにラストはそう来たか!
せつない気持ちの中にも温かくみおくられる主人公を想いながら「おみおくりの作法」として自分の事もきちんと考えておかなければと思わされた。
こういう作品は大好きです。
【”真に豊かな人生とは何か”という事を考えさせられる滋味深い作品。】
映画館の中で人目もはばからず声をあげて泣いたのは何年ぶりだろう
久しぶりに楽しんだ
個人的には今年のナンバーワン
こういう映画がいい
あなた、誰に見送られたいですか?
これって、邦画の秀作「おくりびと」の、海外焼き直しバージョンみたいなもんだろ、と、思ってました。しかし、いい意味で、全然違った。あくまでもオリジナルな作品です。
主人公、ジョン・メイを演じるエディ・マーサンの佇まいがいいなぁ~。彼はイギリスで地区の民生委員をやっている。彼の仕事は、孤独死した人の、身寄りを探し、葬儀の手配をし、埋葬まで見届けること。
どこからどう見ても、公務員を絵に描いたような人を好演してます。
まじめ、実直、律儀。
夕食も、ナプキンとフォークとナイフをきちんとテーブルにセットしてから摂ります。でも彼、実は料理が苦手。これもご愛嬌です。でも、この人、どこか普通の公務員ではないんですね。カタブツのようで、実は、細やかな配慮ができる人、自分の仕事に気持ちを入れてくる人です。
彼自身は四十代で、アパートに一人住まい。
自宅には彼のひそかなコレクションがあるのです。それはアルバム。そこに貼り付けてあるおびただしい写真たち。それは彼の家族の写真集ではありません。自分が担当した、誰も身寄りが見つからなかった人たちの写真集です。
時折、彼はそのアルバムを開きます。戦争中でしょうか、古びたシワだらけのセピア色の写真。あるいは、子供の頃に撮ったであろう写真、また、愛する伴侶と撮った、幸せそうな笑顔の写真などなど。だけどこれらの人たち、最後は皆、孤独死。
誰にも見送ってもらえなかった人たち。
ある日、ジョン・メイに一本の電話が入ります。孤独死した男性発見。現場に行ってみると、なんと自分の向かいのアパートでした。
調べて行くと、亡くなったこの男性は、呑んだくれて、暴力ばかりふるい、刑務所に入ったり、一時はホームレス状態だったらしい。
そんな調査をしている最中、彼の上司からある通告が。
「君は仕事に時間をかけすぎる、ここは他の部署と統廃合することになったんだ。君はクビだよ」
突然の解雇通告。
当然、彼は少なからずショックを受けます。だけど、自分も良い歳をした大人です。グッとこらえて、取り乱したりしないところがいいんですね。
イギリスの公務員制度はよく知りません。しかし、こんなに簡単に解雇通告できるのですね。日本でもやったらどうでしょう、まずは手始めに国会議員なんぞから……、とそれはさておき。
彼が22年間続けてきた仕事。今やっているのが最後の案件になる。自分の公務員人生に綺麗な幕引き、けじめをつけたい、と思ったのでしょう。
彼は、この、世の中から厄介者扱いされていた人物の身寄りを、熱心に探し始めるのです。
本作の監督、自分らしい「映画の作法」「映画の文法」というものをもってます。この脚本で、このキャスティングなら、こういう絵を撮りたい。それがよく伝わってきます。
もちろん、全然ドラマチックには描かない。むしろ、主人公をちょっと突き放したような描き方をあえてしてます。この監督、人間嫌いなのかな? あるいはニヒリズムの人なのかな? などと思ってしまいます。
作中での上司の言葉
「人間、死んだら、何もなくなるのサ」
だから、死んだ人物に、時間と公的費用をかけるのは合理的ではないということなのでしょう。
そんな憎ったらしい上司の車に、終盤、主人公ジョン・メイがこっそり小便を引っ掛けるシーンがあります。これ、遠景のロングショット。
観客がうっかりしていると見過ごしてしまいそうなシーンです。そういう絵の撮り方をする監督ですが、ラストシーン、堰を切ったように情感溢れる、ファンタジーな演出をしました。
「ああ、やっぱり、この監督、人間が好きなんだ」と思いました。
でなければ、そもそも、こういう作品を作ろうとも思わないでしょう。
どうか、ラストシーン、観客皆様でお見送りをしてあげてください。
たんたんと真摯に生きるべし。
静かに進みすぎて
大好きな映画
静かなるミスター・ビーン
イギリス映画のせいか淡々としたミスター・ビーンと言った風情の作品。
大笑いでなく、クスリと笑えるシーンが随所にあります。
伊丹十三監督の「お葬式」を引き合いに出すまでもなく
お葬式って言うのは厳かな中にも何となくおかしみが漂うもんで、
そのあたりの表現が上手いなあ〜と思いました。
(話は全然似てません…)
ジョン・メイの死者へのこだわりは
黒沢作品「生きる」の主人公に似た静かな執念を感じました。
最後の死者へこだわる事で
自分自身の生きた証しを残そうとしたジョン・メイ。
「死」を考える事は生き方を考える事。
ラストシーンはキリスト教的な表現だな〜と感じましたね。
ある意味での復活と言う感じ。
静かな映画なのでこういう映画は
映画館でしっかり集中して観た方が良いと思います。
自宅だと気が散ると思うので〜〜
静物画のような画面
邦題が違う気がするな
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