おみおくりの作法のレビュー・感想・評価
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大好きな映画
静かなるミスター・ビーン
イギリス映画のせいか淡々としたミスター・ビーンと言った風情の作品。
大笑いでなく、クスリと笑えるシーンが随所にあります。
伊丹十三監督の「お葬式」を引き合いに出すまでもなく
お葬式って言うのは厳かな中にも何となくおかしみが漂うもんで、
そのあたりの表現が上手いなあ〜と思いました。
(話は全然似てません…)
ジョン・メイの死者へのこだわりは
黒沢作品「生きる」の主人公に似た静かな執念を感じました。
最後の死者へこだわる事で
自分自身の生きた証しを残そうとしたジョン・メイ。
「死」を考える事は生き方を考える事。
ラストシーンはキリスト教的な表現だな〜と感じましたね。
ある意味での復活と言う感じ。
静かな映画なのでこういう映画は
映画館でしっかり集中して観た方が良いと思います。
自宅だと気が散ると思うので〜〜
静物画のような画面
静かな映画
全体を通してすごく静かな映画。
ジョン・メイの真面目さがおもしろい序盤。
でも真面目すぎるあまり、仕事の効率が悪く、クビになってしまう。
そして最後の案件、ビリー・スタークの人生をたどる旅に出る。
身寄りのないまま葬儀が行われてしまった人の写真をアルバムに貼り、会ったこともないビリー・スタークに、自分が予約していた墓地を譲ってしまう。
どこまでも他人(死者)のために生きるジョン・メイの最後(最期)はあっけなく、悲しかった。
独りの人を弔ってきたメイもまた、独りで弔われたのか…。と少し驚いていたら、意外にもファンタジックな結末。
エディ・マーサンありきの映画だった。
邦題が違う気がするな
割りと淡々とストーリーが進む印象。 他の方もレビューで書いているが...
良い映画
もしも僕が孤独死をしたら、こんな役所の職員さんに片付けてもらえないものだろうか
愚直で誠実な公務員、ジョン・メイ。
たとえ誰かに感謝されることがなかろうが、死者を、一人の人間の最後として誠意を持って見送る。かれの性格にあっていて、彼自身、仕事に誇りを持っているようだ。身寄りのない独居老人の孤独死のあとしまつなんて、ふつうあそこまで丁寧に処理などしない。仕事としてみれば、コスト意識が希薄で効率が悪い。上司が嫌味を言うのもわかる。だけど、その彼の姿勢が、ラストに報われるのだ。ただ、不幸な出来事の先にって言うのが切ないけど。
ところどころ、イギリスらしい、辛味の効いたジョークが可笑しい。原題「still life」も、内容にあった素晴らしいタイトルじゃないか。音楽もまた素晴らしかった。
生きていようが、もう死んでいようが関係なく、ひとりひとりの尊厳に敬意を。
ほとんど何も起こらない
粛々と生きる
民生係のジョン・メイの職務は孤独死した人を弔うこと。孤独死したということは、家族も友人もいなかったり、見捨てられてたりしてる人たちが多いということ。そんな見ず知らずの訳ありな人たちの弔いのためにそれぞれにふさわしいBGMを選んだり、弔辞を書いたり、写真を見つけ出してアルバムを作ったり…と職務以上のことにも取り組んでいくジョン。
几帳面で実直すぎるほどの人格は、時に笑いさえもひきおこす。(それが伏線にもなるのだけれど…)
ジョン自身も家族もない孤独な人間であるということが、そういう職務に粛々と取り組ませる所以だろうか?
上司の「死者に思いなど存在しない」という言葉に抗い、必要以上に思い入れしてしまうことが災いして、ビリー・ストークというならず者の案件が最後の仕事となるのだが、彼の人生を紐解く旅にに懸けるジョンの誠意があまりにも熱意がこめられているもので、観ている者もつい惹きこまれて応援したくなってしまう。
そんな旅の中でジョンがいろんな人に出会うことで巻き起こる心の変化に、自分もクスッと笑えたり、切なく思えたり、いつの間にかジョンといっしょに旅をしてる気になってしまう。素朴なイギリスの街の風景やそこに暮らす人々や飲食物にも想いを馳せて…
ほのかに芽生えた孤独なジョンの恋心。そして実直さを失う瞬間。間もなく予想を裏切る形の衝撃的なラストを迎えるのだけれど、なんとも切なくて胸が締めつけられる。でもあの結末だからこそジョンを通して生きることの儚さ、喜びが一人一人の胸に深く刻まれることになったと思う。
原題の『Still Life』もさることながら、配給会社の社名が「Bitter End」とは秀逸すぎますね⁉︎
奇しくも同時期に上映されている邦画の『悼む人』の坂築静人の悼む旅とも重なり、自分自身の死生観についてもいろいろ考えさせられるきっかけになりました。
STILL LIFE
英国版『おくりびと』
英国版『おくりびと』です。
ぼくはこの作品の方が気に入りました。
日本映画の『おくりびと』はクライマックスで「なんで」という欠陥があったので急激に醒めていってしまったのですが、この『おみおくりの作法』は「そんなアホな!」のラストがストーリー上のジャンプなのでおかしいとは感じませんでした。
たいていの場合テーマは脇役の台詞で語られていますが、この作品でも嫌な上司が教えてくれます。
『シャーロック・ホームズ』で警部役で一度見れば忘れられない特徴的な脇役顔で主演なのに台詞の少ないエディ・マーサンも、全体のスタティックな画像も、ちょっとしたコメディシーンも、レイチェル・ポートマンの音楽も素晴らしい。
原題の「Still Life」も二重三重の意味が重ねられてひっそりとした名作として残っていくことでしょう。
最後でつじつま合わせ
ヒット映画?
退屈すぎる展開と、切なすぎるラスト。
【賛否両論チェック】
賛:“他人の死”を敬意を持って見送ろうとする主人公に、深く考えさせられる。何とも言えない切なすぎるラストにも要注目。
否:展開は極めて静かで単調なので、眠くなること請け合い。
見ず知らずの他人の死と正面から向き合い、誰に何と言われても死者に敬意を忘れない主人公の不器用な姿に、思わず尊敬の念を感じます。そんな彼が淡々と死者の過去を辿るストーリーなので、かなり単調で眠くなりそうです。静かな映画が好きな方でないと、観るのはやや厳しいかも知れません。
ただ、ラストは思いのほか意外な形で、とても切ないです。というよりむしろ、とても哀しいです。あまり言うとネタバレになりますので、詳しくは是非実際にご覧になってみて下さい。
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