劇場公開日 2015年1月24日

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「もしも僕が孤独死をしたら、こんな役所の職員さんに片付けてもらえないものだろうか」おみおくりの作法 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5もしも僕が孤独死をしたら、こんな役所の職員さんに片付けてもらえないものだろうか

2015年3月5日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

愚直で誠実な公務員、ジョン・メイ。
たとえ誰かに感謝されることがなかろうが、死者を、一人の人間の最後として誠意を持って見送る。かれの性格にあっていて、彼自身、仕事に誇りを持っているようだ。身寄りのない独居老人の孤独死のあとしまつなんて、ふつうあそこまで丁寧に処理などしない。仕事としてみれば、コスト意識が希薄で効率が悪い。上司が嫌味を言うのもわかる。だけど、その彼の姿勢が、ラストに報われるのだ。ただ、不幸な出来事の先にって言うのが切ないけど。
ところどころ、イギリスらしい、辛味の効いたジョークが可笑しい。原題「still life」も、内容にあった素晴らしいタイトルじゃないか。音楽もまた素晴らしかった。
生きていようが、もう死んでいようが関係なく、ひとりひとりの尊厳に敬意を。

栗太郎