「みおくり続けたおじさんの人生」おみおくりの作法 chibirockさんの映画レビュー(感想・評価)
みおくり続けたおじさんの人生
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ずっと、見知らぬ他人の過去を辿っていた彼は、いつも電車にのるとき、進行方向と逆向きの席に座っていた。
ようやく、彼が彼自身の人生を歩み始めた時、彼は進行方向を向いた席に座る。
その矢先に、ドシャン。
几帳面で誠実で、たったひとりきりで赤の他人の魂を見送り続けた彼の人生は、彼自身の幸せを待たずあっけなく終了する。
しかも、彼がこれまで見送った人間たちと同じく、彼には葬儀に参列してくれる家族も友達もいなかった。
でも、彼は大勢にみおくられた。
彼がこれまで心を込めて、みおくってきた人間たちに。
観終わった今、正直、やりきれない感じもあるけれど、彼は、報われたのだと思っている。思いたい。
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